“うすべにいろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡紅色60.0%
薄紅色40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか、青年せいねんが、行商ぎょうしょうにきた時分じぶんってきたような、あお貝細工かいざいくや、ぎんのかんざしや、口紅くちべにや、香油こうゆや、そのほかおんなたちのきそうなあか絹地きぬじや、淡紅色うすべにいろぬのなどであったのです。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さながらおせんがってきた、貝細工かいざいくのように、ぎんのかんざしのように、あかきぬひろげたように、淡紅色うすべにいろ布地ぬのじるように、それらのものをみんな大空おおぞらかっていたように……。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの子は、十分ばかり前に、箱の中から可愛い薄紅色うすべにいろ上着うはぎを引張り出した。それをひろげると、あの子の顏は、嬉しさに輝いた。
薄紅色うすべにいろ透取すきとお硝子杯コップの小さいのを取って前に引いたが、いま一人哲学者と肩をならべて、手織の綿入に小倉こくらはかまつむぎの羽織を脱いだのを、ひも長く椅子の背後うしろに、裏をかえして引懸ひっかけて
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これを、併し彼は自分でえらぶと云ひ切つた。私は心配しながら、はなやかな品物の上を、彼の眼が逍遙さまよふのを見つめた。彼は中でも最も素晴らしい紫水晶色の絹と、はでな薄紅色うすべにいろの繻子に眼を留めた。