淡紅色ももいろ)” の例文
戻って柳橋の袂を往復ゆきかえりして、淡紅色ももいろ洋脂ぺんきが錆にはげた鉄欄の間から、今宵は神田川へ繋り船のかみさんが、桶をふなばたへ載せて米を磨いで居る背中に、四歳よっつばかりの小児こどもが負われながら仰反のけぞって居るのを
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
見て投ずる商い上手俊雄は番頭丈八が昔語り頸筋元くびすじもとからじわと真に受けお前には大事の色がと言えばござりますともござりますともこればかりでも青と黄とちゃ淡紅色ももいろ襦袢じゅばんの袖突きつけられおのれがと俊雄が思いきって引き寄せんとするを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)