“亀甲形”のいろいろな読み方と例文
旧字:龜甲形
読み方割合
きっこうがた85.7%
きつかふがた14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒔絵まきえではあるが、ただ黒地に亀甲形きっこうがたきんで置いただけの事で、別に大して金目の物とも思えなかった。御米は唐桟とうざん風呂敷ふろしきを出してそれをくるんだ。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
驚いて法師が、笠に手を掛け、振返ると、亀甲形きっこうがたに空をくぎった都会みやこを装う、よろいのごとき屋根を貫いて、檜物町の空に𤏋ぱっと立つ、偉大なる彗星ほうきぼしのごとき火の柱が上って、さかしまほとばしる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此頃のひでり亀甲形きつかふがた亀裂ひヾつた焼土やけつちを踏んで、空池からいけの、日がつぶす計りに反射はんしやする、白い大きな白河石しらかはいしの橋の上に腰をおろした。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)