判然わから)” の例文
ことに又ぞろ母からの無理な申込で頭を痛めたせいか、その夜は寝ぐるしく、怪しい夢ばかり見て我ながら眠っているのか、覚めているのか判然わからぬ位であった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そのうちに眼がボウ——ッとなって来て、これは大変おおごとが出来たと思うた時にはモウ横に寝ているやら、座っているやら自分でも判然わからんようになっております。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
塗付ぬりつくべしとのたくみにて申上候事やと存じ奉つり候とわざ驚怖おどろきたる容子ようすに申立双方さうはう眞僞しんぎ判然わからざるより道十郎と突合つきあはせ吟味に相成し處佞奸邪智ねいかんじやちの長庵が辯舌べんぜつ云昏いひくるめられ道十郎も種々しゆ/″\言開いひひらくと雖も申口相分らず長庵は只町役人へ預けにてさがり道十郎は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)