探偵の巻たんていのまき
去年、京都の伏見稲荷前の安食堂の二階に陣どつて「吹雪物語」を書いてゐたころ、十二月のことだつた。食堂の娘が行方不明になつた。 娘は女学校の四年生だつたが、専ら定評ある不良少女で、尤も僕はその心根却々見どころのある娘だと思つてゐたから、娘の方 …