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看々
読み方 | 割合 |
みるみる | 50.0% |
みす/\ | 25.0% |
みる/\ | 25.0% |
さしも遣る方無く
悲めりし貫一は、その悲を
立ろに抜くべき
術を今覚れり。
看々涙の
頬の
乾ける
辺に、
異く
昂れる
気有りて青く
耀きぬ。
さるゝも計り難く夫故に
道中筋は何れの茶屋小屋にても
看々惡漢に
引懸りて難儀する旅人があらうとも
滅多な事は申されずと云ければ半四郎
成ほど夫は
道理なり何にしても
可愛さうなことゆゑ
何か救ひて
遣度ものと兩手を
搖上げ
搖下され今にも
逆卷浪に引れ
那落に
沈まん計りなれば八
寒八
熱の
地獄の樣も
斯やとばかり
怖ろしなんども
愚かなり
看々山の如き
大浪は天神丸の
胴腹へ打付たれば
哀やさしも
堅固に
營らへし天神丸も
忽地巖石に打付られ
微塵に
成て
碎け失たり
氣早き吉兵衞は此時早くも
身構へして所持の品は