“くぬぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
79.7%
10.8%
功刀1.4%
1.4%
1.4%
櫟木1.4%
1.4%
櫪木1.4%
歴木1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アパートのどの窓からも殆んどうかがう事の出来ない程に鬱蒼たるくぬぎ赤樫あかがしの雑木林にむっちりと包まれ、そしてその古屋敷の周囲は
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
岩山に生えたくぬぎの三年枯れの堅薪で炊いた飯の、一番下と釜の底とが、移す時綺麗に離れるのでなければ、太政官は其の飯を口にしなかつた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
楯岡たておかのときと同じだな、と功刀くぬぎ功兵衛は思った。楯岡平助のときと殆んど同じだと、——裏のほうで仔猫こねこのなく声がし、窓外のひさしに枯葉の散りかかる音が聞えた。
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
秋山やくぬぎをはじきささを分け
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
それはくぬぎからを踏んだので、踏まれた殻は平らにへし潰された。疵をするまでもないものであつた。彼はちつと舌打をして、忌々しさうにそれを拾つて抛りつけた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
櫟木くぬぎ、山口の両軍曹に命じて火を挙げさせようとしたが、折あしく此夜は、微風も起たない穏かな夜なので、容易に火が挙らない。やっと火の付いたのが、九時四十分頃であった。
田原坂合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
たとえば東京などでは、この二月の初めの土曜日が初雪で、それが野山の松やくぬぎの蔭にきらめいて、かえって青空の光を明るくした。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
石の巻の町に入るすぐ手前の畑に今でも「蛇田」といふ名所がある。「……五十八年の夏五月さつき荒陵あらはか松林まつばやしの南の道にあたりて、忽に二本ふたもと櫪木くぬぎ生ひ、路をはさみて末合ひたりき」
大へび小へび (新字旧仮名) / 片山広子(著)
ここに香坂かごさかの王、歴木くぬぎに騰りいまして見たまふに、大きなる怒り猪出でて、その歴木くぬぎを掘りて、すなはちその香坂かごさかの王をみつ。