“荒陵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらばか50.0%
あらはか50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天王寺を中心とする荒陵あらばか聚落じゅらくには、こまかい庶民の屋根が、低地低地に密集している。そしてここにも散所民さんじょみんの生態がそっくりあった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先ごろから彼の潜伏していた荒陵あらばか一帯の村々に、いつとはなく、諸方の野伏のぶせりが寄って来て、自然な水溜りへ水がかさむように、それが千人ちかくにもなって来ては、もはや六波羅密偵の眼も
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石の巻の町に入るすぐ手前の畑に今でも「蛇田」といふ名所がある。「……五十八年の夏五月さつき荒陵あらはか松林まつばやしの南の道にあたりて、忽に二本ふたもと櫪木くぬぎ生ひ、路をはさみて末合ひたりき」
大へび小へび (新字旧仮名) / 片山広子(著)