“散所民”の読み方と例文
読み方割合
さんじょみん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どちらも破衣素跣足はいすはだしの親と子である。瞬時、この尺土の上の父子像には、ただの土民や散所民さんじょみんとも何の違いもない血の慟哭どうこくが見えていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天王寺を中心とする荒陵あらばか聚落じゅらくには、こまかい庶民の屋根が、低地低地に密集している。そしてここにも散所民さんじょみんの生態がそっくりあった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日野俊基をかりて、河内や石川盆地の散所民さんじょみんなどを書いたのも、正成を生んだ郷土の特色とか社会条件なども、一応、描いておく必要からであった。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)