“櫟(いちい)” の例文
彼は胸の勾玉を圧えながら、櫟(いちい)と檜(ひのき)の間に張り詰った蜘蛛(くも)の網を突き破って森の中へ馳け込んだ。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼は人波(ひとなみ)の後をぬけ、神庫の前を通って暗い櫟(いちい)の下まで来かかった。そのとき、踊りの群(むれ)から脱(ぬ)け出(だ)した一人の女が、彼の後から馳(か)けて来た。彼女は大夫の若い妻であった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)