おとし)” の例文
僕は一枚おとしでさして、さん/″\負かされた。余りに、くやしかつたので敗局の盤面を今でも思ひ出す位である。
世に出る前後 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
琴柱ことじにも使われましたが、三絃さんげんの盛んな頃はそれに使うばちの需要がおびただしいのでしたから、撥おとしが根附の材料に多く使われたのですが、低級の人が用いるので、名のある人たちが
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
すなわちかたわらなる一閑張いっかんばりの机、ここで書見をするとも見えず、帙入ちついりの歌の集、蒔絵まきえ巻莨入まきたばこいれ、銀の吸殻おとしなどを並べてある中の呼鈴をとんと強く、あと二ツを軽く、三ツ押すと、チン
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)