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おつこ
「おうい、そんなに引張るなよウ! 己が
落つてしまふぢやないか。」
わし
柹の
木さ
登んな
見てたんだつけが、
落つたから
驅けてつて
見たら、
目引つゝけつちやつて、そんでも
暫く
經つたら
泣き
出したんでわし
抱き
起して
手へ
觸つたら
林「
心配しねえでも
宜え、大丈夫だよ、少し
理由があるだ、お
菊さん、ま
一盃飲めなせえ、お
前今日は
平日より別段に
美しいように思われるだね」
何でも
宜い、本当ね
私が
此方へ奉公に来た時始めてお
前さんのお姿を見て、あゝ
美しい女中
衆だと思えました、斯ういう
美しい人は
何家え
嫁付いて
往くか