さげ)” の例文
まるで落語のさげのようなわけなンで。……金付馬が鶴岡を出たのが先月の二十二日。伏鐘は江戸にいてちゃんとそれがわかっていた。
なにをしゃべったかわからないままに、やっとのことにさげだけつけると、ろくすっぽお辞儀もしないでそのまま楽屋へ飛び下りてきた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
あきれた野郎だ、その笑う馬が木場にいるから、甲州屋へ行くついでに案内しようという話だろう、さげはちゃんと解っているよ」
ハッと吐胸を突かれたときはもう遅く、あれよあれよといううちにとんとんと噺は運ばれ、やがてアッサリさげまで付けられてしまった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
もう、これだけだって、はなしのさげはついているのだ。……どれ、これから叔父貴のところへ行って、小遣にありついてくべいか
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
受けるままに馬道の噺はお白洲の大岡さまお裁きまでいってしまって、「大工は棟梁仕上げを御ろうじませ」のさげといっしょに大へんな受け方をして揚々と下りてきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「そうとばかりは言われねえさ。……これでさげになったわけじゃない、まだ後があるのだ」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「なるほど、こいつアいいや、ちゃんと、さげがついている」
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
余計なことをいってしまって、かえって圓朝にさげを取られた
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)