トップ
>
棕櫚
>
しゆろ
ふりがな文庫
“
棕櫚
(
しゆろ
)” の例文
が、
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
へ、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
毛
(
け
)
をずぼりと
被
(
かぶ
)
る、と
梟
(
ふくろふ
)
が
化
(
ば
)
けたやうな
形
(
かたち
)
に
成
(
な
)
つて、
其
(
そ
)
のまゝ、べた/\と
草
(
くさ
)
を
這
(
は
)
つて、
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へ
這込
(
はひこ
)
んだ。——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのテラスから
棕櫚
(
しゆろ
)
の並木を越して町はづれの果樹園が見え、更にオアシスの向ふには沙漠がだん/\高まつて四方へ拡がつてゐました。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
樫か
胡桃
(
くるみ
)
で作つた櫃には、奇妙な
棕櫚
(
しゆろ
)
の枝と天童の頭の
浮彫
(
うきぼり
)
がしてあつて、ヘブライの經典ををさめた木箱のやうな形に見えた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
我は羅馬以北の景を看て、その
概
(
おほむ
)
ね皆陰鬱なるに驚きぬ。
大澤
(
たいたく
)
の畔の如くならず、テルラチナなる橄欖の林の
棕櫚
(
しゆろ
)
を交へたるが如くならず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そは神の子がわれらの荷を
負
(
お
)
はんと思ひ給ひしとき、
棕櫚
(
しゆろ
)
を持ちてマリアの
許
(
もと
)
に下れるものは彼なればなり 一一二—一一四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
近寄つて見ると、綱は麻糸と
棕櫚
(
しゆろ
)
をなひ交ぜたもので、太さも相當にあり容易なことできれる筈もありません。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木がこんもりとしげり、
椰子
(
やし
)
や
棕櫚
(
しゆろ
)
が、からかさのやうに葉をひろげて、いろんな花がさきほこつてゐます。
シロ・クロ物語
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
繩の太いのを握つてゐるお梅の
脂
(
あぶら
)
肥りの赤い手を見ながら、猪之介はこんなことを言つた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
山羊は二匹とも
棕櫚
(
しゆろ
)
の木の下に固まつて、白い背中に日影を浴びてうづくまつてゐる。——と
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
宿り木、
蔓
(
かづら
)
などにて
少
(
すくな
)
くも
一木
(
ひとぎ
)
に
五色
(
ごしき
)
の花附けぬはなく
候
(
さふら
)
へば、実れる木も多く、葉の
紅葉
(
もみぢ
)
はた
雁来紅
(
がんらいこう
)
の色したる
棕櫚
(
しゆろ
)
に似たる木など目もあやに夕闇に浮び
居
(
ゐ
)
申し
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
の樹が二三木立つて、
八角金盤
(
やつで
)
が広い手を伸ばして浄水鉢を抱くやうに取囲んでゐた。この駅の旧本陣らしい家の様子を見せて、欄間には渡辺華山の書などが掛けてあつた。
伊良湖の旅
(新字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
静かに立ちてあれば、
吾
(
わが
)
側
(
そば
)
なる桑の葉、
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の葉は、
月光
(
げつくわう
)
を浴びて
青光
(
あおびか
)
りに光り、
棕櫚
(
しゆろ
)
はさや/\と月に
囁
(
さゝ
)
やく。虫の
音
(
ね
)
滋
(
しげ
)
き草を踏めば、
月影
(
つきかげ
)
爪先
(
つまさき
)
に散り行く。露のこぼるゝなり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
其赤い壁に
添
(
つ
)
けて、大きな
棕櫚
(
しゆろ
)
の木を五六本植ゑた所が大いに
好
(
い
)
い。左り手のずつと奥にある工科大学は封建時代の西洋の御城から割り出した様に見えた。真っ四角に出来上つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
や
楠
(
くす
)
の木などのステツキをもつて来たのがのせてありました。
鳩の鳴く時計
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
或る温室では
釣鐘草
(
つりがねさう
)
や
葵
(
あふひ
)
や
棕櫚
(
しゆろ
)
が
頭
(
かぶり
)
を振つてゐるだらう
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
見えがくれ
棕櫚
(
しゆろ
)
の葉に消ゆるまで
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
明るい空と
棕櫚
(
しゆろ
)
の木が
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
……
何
(
なん
)
と、
其
(
そ
)
の
兩足
(
りやうあし
)
から、
下腹
(
したばら
)
へ
掛
(
か
)
けて、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
毛
(
け
)
の
蚤
(
のみ
)
が、うよ/\ぞろ/\……
赤蟻
(
あかあり
)
の
列
(
れつ
)
を
造
(
つく
)
つてる……
私
(
わたし
)
は
立窘
(
たちすく
)
みました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此夜の夢に、我はフルヰアのおうなとフラミニアの君とに逢ひしに、二人皆面に微笑を湛へて、君が福祉の
棕櫚
(
しゆろ
)
は緑ならんとすと告げたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
をうるまで、
戰場
(
いくさのには
)
を出づる時まで、我にともなへる徳にむかひ今も我を
燃
(
もや
)
す愛 八二—八四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
柵の中には
棕櫚
(
しゆろ
)
の木が五六本植ゑられて、その下に山羊の這入る小さい小屋が出来てゐる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
の葉のうち
戦
(
そよ
)
ぎ
冷
(
ひ
)
ゆるまで
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
が、
人
(
ひと
)
が
寄
(
よ
)
る
途端
(
とたん
)
に、ぱちぱち
豆
(
まめ
)
を
燒
(
や
)
く
音
(
おと
)
がして、ばら/\と
飛着
(
とびつ
)
いた、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
赤
(
あか
)
いのは、
幾千萬
(
いくせんまん
)
とも
數
(
かず
)
の
知
(
し
)
れない
蚤
(
のみ
)
の
集團
(
かたまり
)
であつたのです。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
稍〻
(
やゝ
)
高き林木の間に、屋瓦の
叢
(
そう
)
を成せるはアンナア、カプリイの小都會なり。一橋一門ありてこれに通ず。一行は
棕櫚
(
しゆろ
)
の木立てるパガアニイが酒店の前に歩を留めつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
の葉のうち
戦
(
そよ
)
ぎ
冷
(
ひ
)
ゆるまで
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“棕櫚(シュロ)”の解説
シュロ(棕櫚・棕梠・椶櫚)は、ヤシ目ヤシ科シュロ属 Trachycarpus の樹木の総称である。
5種以上が属する。シュロという名は、狭義には、そのうち1種のワシュロの別名とされることもある。逆に広義には、他の様々なヤシ科植物を意味することもある。
常緑高木。温暖で、排水良好な土地を好み、乾湿、陰陽の土地条件を選ばず、耐潮性も併せ持つ強健な樹種である。生育は遅く、管理が少なく済むため、手間がかからない。
(出典:Wikipedia)
棕
漢検1級
部首:⽊
12画
櫚
漢検1級
部首:⽊
19画
“棕櫚”で始まる語句
棕櫚箒
棕櫚縄
棕櫚竹
棕櫚酒
棕櫚帚
棕櫚樹
棕櫚絲
棕櫚羊歯
棕櫚散歩道