“一木”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとき47.1%
いちぼく17.6%
いちき11.8%
ひとぎ5.9%
ひとつぎ5.9%
ひとつけ5.9%
ヒトツキ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人形を桑の一木ひときに立掛け、ひざまずいて拝む。かくてやや離れたる処にて、口の手拭てぬぐいを解く
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
梅のほかには一木いちぼく無く、処々ところどころの乱石の低くよこたはるのみにて、地はたひらかせんきたるやうの芝生しばふの園のうちを、玉の砕けてほとばしり、ねりぎぬの裂けてひるがへる如き早瀬の流ありて横さまに貫けり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一木いちき博士を主務大臣とする内務省が突如として私娼絶滅の実行に取掛ったことは最近の奇異な現象である。私はこれについていろいろのことを考えて見た。
私娼の撲滅について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
宿り木、かづらなどにてすくなくも一木ひとぎ五色ごしきの花附けぬはなくさふらへば、実れる木も多く、葉の紅葉もみぢはた雁来紅がんらいこうの色したる棕櫚しゆろに似たる木など目もあやに夕闇に浮び申しさふらひき。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
夜になると赤坂で、賑かな処と言ふべきは、たゞ田町、一木ひとつぎ、新町、先づ此位で、あとは極く淋しい処ばかりです。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かれここに伊耶那岐の命のりたまはく、「うつくしき汝妹なにもの命を、子の一木ひとつけへつるかも」とのりたまひて、御枕方みまくらべ匍匐はらば御足方みあとべに匍匐ひて、きたまふ時に、御涙に成りませる神は
爾に、伊邪那岐ノリ給わく、ウツクしき我が那邇妹ナニモの命や、子の一木ヒトツキに易えつるかもと詔給いて、御枕方ミマクラベ匍匐ハラバい、御足方ミアトベに匍匐いて、哭給う。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)