“椶櫚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅろ75.0%
しゆろ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしこれはつい昨今急激な軟化をして、着物の袖を長くし、袴の裾を長くし、天を指していた椶櫚しゅろのような髪の毛に香油を塗っていたのであった。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
夜中にふと眼がさめると台所の土間どまの井戸端で虫の声が恐ろしく高く響いているが、傍には母も父も居ない。戸の外で椶櫚しゅろの葉がかさかさと鳴っている。
追憶の冬夜 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これより始終谷を下り、日没椶櫚しゆろふるエニンに到り、独逸どいつ人のホテルに投ず。今日は終日サマリヤの山を行けるなり。行程わづかに七里余。
しんの涙か、憧憬あくがれの孤寂の闇の椶櫚しゆろの花
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)