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おどろ/\
今其の
祠は
沼に
向つて
草に
憩つた
背後に、なぞへに
道芝の
小高く
成つた
小さな
森の
前にある。
鳥居が
一基、
其の
傍に
大な
棕櫚の
樹が、五
株まで、一
列に
並んで、
蓬々とした
形で
居る。
思見る、
磐梯山の
煙は、
雲を
染めて、
暗は
尚ほ
蓬々しけれど、
大なる
猪苗代の
湖に
映つて、
遠く
若松の
都が
窺はれて、
其の
底に、
東山温泉の
媚いた
窓々の
燈の
紅を
流すのが
遥々と
覗かれる。