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蓬々
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おどろおどろ
ふりがな文庫
“
蓬々
(
おどろおどろ
)” の例文
……以来、打続いた風ッ吹きで、銀杏の
梢
(
こずえ
)
も
大童
(
おおわらわ
)
に乱れて
蓬々
(
おどろおどろ
)
しかった、その今夜は、霞に夕化粧で薄あかりにすらりと立つ。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その行燈の
枕許
(
まくらもと
)
に、有ろう?
朱羅宇
(
しゅらお
)
の
長煙管
(
ながぎせる
)
が、蛇になって動きそうに、
蓬々
(
おどろおどろ
)
と、
曠野
(
あれの
)
に
徜徉
(
さまよ
)
う夜の
気勢
(
けはい
)
。地蔵堂に釣った紙帳より、かえって
侘
(
わび
)
しき草の
閨
(
ねや
)
かな。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……その森、その
樹立
(
こだち
)
は、……春雨の
煙
(
けぶ
)
るとばかり見る目には、三ツ五ツ縦に並べた薄紫の
眉刷毛
(
まゆばけ
)
であろう。死のうとした身の、その時を思えば、それも
逆
(
さかしま
)
に生えた
蓬々
(
おどろおどろ
)
の
髯
(
ひげ
)
である。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
も一つ
茸
(
きのこ
)
で、名も知らぬ、
可恐
(
おそろ
)
しい、
故郷
(
ふるさと
)
の峰谷の、
蓬々
(
おどろおどろ
)
しい名の無い
菌
(
くさびら
)
も、皮づつみの
餡
(
あん
)
ころ餅ぼたぼたと
覆
(
こぼ
)
すがごとく、
袂
(
たもと
)
に襟に
溢
(
あふ
)
れさして、山野の珍味に
厭
(
あ
)
かせたまえる殿様が
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蓬
漢検準1級
部首:⾋
14画
々
3画
“蓬々”で始まる語句
蓬々然
蓬々髪