“はん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハン
語句割合
20.4%
16.2%
14.0%
10.5%
7.3%
6.7%
3.5%
3.2%
1.9%
赤楊1.6%
1.6%
1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
1.0%
0.6%
0.6%
印判0.6%
0.6%
0.6%
0.3%
0.3%
印刷0.3%
印章0.3%
0.3%
奇数0.3%
0.3%
板木0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麦の畑をつらぬいた細い道は、向こうに見えるひょろ長いはんの並木に通じて、その間から役場らしい藁葺屋根わらぶきやね水彩すいさい画のように見渡される。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
人のからだ男はやうなるゆゑ九出きうしゆつし(●頭●両耳●鼻●両手●両足●男根)女は十しゆつす。(男根なく両乳あり)九ははんやう十は長のいん也。
「まあ、ごはんのしたくをわすれていた。なんにもこさえてない。一昨日おとといのすずらんの今朝けさかくパンだけをたべましょうか」といました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「もうじきに、練馬ねりまの、豊島園としまえんの裏へつくったうちへ越すので『女人芸術』のと、あなたのとのはんをこしらえてあげたいって。」
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
我々が林中の木を一本一本に叙述するのはんを避けて、自然をおそれて逃がれんとするがごとくもてなすと、ますます自然に近くなります。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これにはんしてきたからのかぜは、荒々あらあらしいうみなみうえを、たかけわしいやまのいただきを、たにもったゆきおもてれてくるからでありました。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これらの門弟たちは、全国六十余州からきゅうを負って集ったもので、全然門弟の来なかったはんは、たしかに二つくらいしかない。
淡窓先生の教育 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「江戸の絵図面をはんにおこして、売りさばいている店は、たしかにそのほうのところだったと存じて参ったが、違うかな」
晉では當時はん中行ちうかう氏の亂で手を燒いてゐた。齊・衞の諸國が叛亂者の尻押をするので、容易に埒があかないのである。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
庸介は、そこの赤楊はんの木の根に尻もちをついて、われにもなく、恍惚こうこつとして遠い昔に思をせているのであった。彼の足もとのあたりには、小さな赤蟻の群が頻りに何か忙しそうに活動していた。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
飲食店の硝子ガラス窓に飲食物の模型を並べ、之に価格をつけて置くようになったのも、けだむことを得ざる結果で、これまたそのはんを大阪にったものだという事である。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
僕知る所葉山左内なる者、食禄五百石、はん中老に列す、そのよわいまたすでに六十余、官暇あれば出でて大洋に漁す、常に曰く、「海島の士かくの如くならずんば、事に臨んで用をさず」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
命じておいて、袁紹は旗下一千余騎、弩弓手どきゅうしゅ五百、槍戟そうげきの歩兵八百余に、はん旒旗りゅうき大旆たいはいなどまんまるになって中軍を固めた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背なかに十文字のはんが抜けているというから、この方が多分本ものの狸である。
狸とムジナ (新字新仮名) / 柳田国男(著)
千代松はいつも自分の坐るところへ例ものやうな形に、はんこでした如くキチンと坐つて、肩を搖り/\低い聲で言つた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
加之しかのみならず洞のうちには、怎麼なる猛獣はんべりて、怎麼いかなる守備そなえある事すら、更に探り知る由なければ、今日までかくは逡巡ためらひしが、早晩いつか爾を捕へなば、糺問なして語らせんと、日頃思ひゐたりしなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
張鴻業ちょうこうぎょうという人が秦淮しんわいへ行って、はんなにがしの家に寄寓していた。そのへやは河に面したところにあった。
とき享保きやうほ十年九月七日越後高田の城主じやうしゆ榊原家さかきばらけ郡奉行こほりぶぎやう伊藤いとうはん右衞門公事方吟味役小野寺源兵衞川崎金右衞門其外役所へそろひければ繩付なはつきのまゝ傳吉を引据ひきすゑ訴訟人そしようにん上臺憑司かみだいひようじをも呼出し伊藤はいかめしく白洲しらす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
というのは、切りかけたが最後、印判はんで捺したように天狗のために切り捨てられるのであった。
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『ああワイの流れ! 林間の逍遙子よ、いかにしばしばわが心汝に振り向きたるよ!』その通りであった。わが心はこれらの圧力を加えらるるごとにしばしば藩匠川はんの風光をおもった。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
泥に住むみみずは泥をはんいき
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
「よしっ、はんとゆく」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はん!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴方あなたは今夜は現場勤務じゃないでしょう。出勤簿には欠勤の処にはんを捺しておられるでしょう」
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お眼に障わったお詫びの印じゃ。今のキチガイ地獄の歌をば。印刷はんに起した斯様かような書物を。お立ち会い衆へおわかちしまする。お金は要らないお願いしまする。持って帰ってお読みなされて。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
昨日きのう来ました時、貯金と通帳と印章はん
死の前後 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
魏延、はんを現わし、その逆を伐つ日まではこれを開いて秘力を散ずるなかれ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
掟によると、偶数ちょうはいけないことになっていて、鞭の数はかならず奇数はんでなければいけないのですよ。
ひつぎ輿こしは、金箔と五色の泥彩で塗られ、大勢のシナ人がかついで行った。刺繍のほうみたいな衣服を着た道士だの祭司がそれをめぐり、前後には、竜頭たつがしらの弔旗やはんが林立してゆく。
林子平りんしへいじゃねえが、親もなければ妻もなし、妻がなけりゃあ子供のあろう道理がねえ。板木はんがねえから本を刷って売ることもできねえ。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藁葺わらぶき洒落しやれた門を入つて、右左に咲き過ぎた古木の梅を眺め乍ら、風雅な入口のはんを叩くと
崖頂まで大蛇の仲継をたのまにゃならぬとは不似合な話だが、呉の劉綱その妻はん氏とともに仙となり、大蘭山上の巨木に登り鋳掛屋いかけや風の夫婦づれで飛昇したなどその例多し。
顧うに、独逸の学、そのすいを極めざるにあらず、仏蘭西の教、そのはんを尽さざるにあらず。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
但馬守たじまのかみ流石さすがに、そんな些事さじたいして、一々死刑しけいもちゐることは出來できなかつたが、掏摸すりなぞは從來じうらい犯以上ぱんいじやうでなければ死刑しけいにしなかつたのを、れは二はんあるひことによると初犯しよはんからてて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)