はん)” の例文
もちろん、夫子の云われる所は九りんまで常にあやまり無き真理だと思う。また夫子の行われる所は九分九厘まで我々の誰もが取ってもってはんとすべきものだ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
飲食店の硝子ガラス窓に飲食物の模型を並べ、之に価格をつけて置くようになったのも、けだむことを得ざる結果で、これまたそのはんを大阪にったものだという事である。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
という、倹約のために諸卿へはんを示された詔は、一年に二度まで、発せられた程である。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうでない。僧たる者は、人のはんともならなければ、その道も行われぬ。さるを
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とは、同藩の者からも、長年、はんとして、云われていたものである。