はん)” の例文
むしあひはんした放縱はうじう日頃ひごろ自然しぜん精神せいしんにも肉體にくたいにも急激にはか休養きうやうあたへたのでかれ自分じぶんながら一はげつそりとおとろへたやうにもおもはれて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これにはんしてきたからのかぜは、荒々あらあらしいうみなみうえを、たかけわしいやまのいただきを、たにもったゆきおもてれてくるからでありました。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けだし論者のごとき当時の事情じじょうつまびらかにせず、軽々けいけい他人の言によって事を論断ろんだんしたるがゆえにその論の全く事実にはんするも無理むりならず。
わたし人物じんぶつまつた想像さうざうはんしてたのにおどろいたとひます、甚麼どんなはんしてたか聞きたいものですが、ちと遠方ゑんぱうで今問合とひあはせるわけにもきません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これにはんし自分に最善ベストを尽しておらぬものは、何かの時に退けを取りやすい。恥ずかしいが、僕もしばしば自分でこれを経験したことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それが、いまでは“はん尊氏”のもとに、勅免をこうむって、高時の子も、新田の党も同陣になっていた。じつに予測もできない時の変りようである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その斷然だんぜんたる樣子やうすと、そのにぎこぶしちひさゝと、これはんして主人しゆじん仰山ぎやうさんらしくおほきな拳骨げんこつが、對照たいせうになつてみんなわらひいた。火鉢ひばちはたてゐた細君さいくん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
てられる立禁たちきんふだ馘首かくしゆたいする大衆抗議たいしうこうぎ全市ぜんしゆるがすゼネストのさけび。雪崩なだれをはん×(15)のデモ。
それと同時どうじ津浪つなみともなふことが其特色そのとくしよくである。これにはんして局部性きよくぶせい大地震おほぢしん規模きぼ狹小きようしようであるが、おほ陸地りくちおこるがために震動しんどう性質せいしつ急激きゆうげきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
実際じっさい人間にんげん自分じぶん意旨いしはんして、あるい偶然ぐうぜんなことのために、から生活せいかつ喚出よびだされたものであるのです……。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これはんして「」には永遠の生命がある。いや、ありそうに信ぜられる。「何故なぜ?」と聞かれるとちょいと困るが、かく己は、そう信じないでは生きて居られない。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「うん、みずうみすのは、神さまの御心みこころはんするのかもしれない。あした、このことをみんなに話してみよう。おそらく、湖はもとのままにしておくことになるだろうよ。」
勾玉まがたまは、むかし非常ひじよう貴重きちようにされたものとえて、日本につぽんではひとつの古墳こふんからあまりたくさん發見はつけんせられません。これにはんして、わりあひにたくさんてくるのは管玉くだたまといふたまです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
まへ落葉濶葉樹らくようかつようじゆ淡緑色たんりよくしよくうつくしいのにはんして、こゝでは針葉樹しんようじゆ暗緑色あんりよくしよくで、はやしなか濕氣しつきおほく、またしたにはかげへるえてゐるほかに蘚苔類こけるい澤山たくさんえてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
これにはんして玉依姫系統たまよりひめけいとうかたいたって陽気ようきで、すすんで人中ひとなかにもかけてまいります。
聞時はしきりににくく思はれ他人ひとの事にても何分なにぶんすて置れぬ性質せいしつなり是犬はやうにして正直なるけものゆゑねこたぬき其外そのほか魔性ましやう陰獸いんじうを見る時は忽地たちまち噛殺かみころすが如しおのれせいはんして陰惡いんあくたくむものは陽正やうせいの者是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
去れば適當てきとうの原料と製造所せいぞうしよ及び製造器具を手近に有する者は必要ひつやうの品をつくるの序、余分の品をも造りことる可く、これはんして以上の便宜無き者は、必要のしなさへも造ることあたはざる事有らん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
だから、きみ評判ひょうばんは、たかいけれど、かえって、安全あんぜんなのです。これにはんして、わたしたちはたかがらないでしょう。あるいは、性質上せいしつじょうできないのかもしれません。
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
實際じつさい人間にんげん自分じぶん意旨いしはんして、あるひ偶然ぐうぜんことために、から生活せいくわつ喚出よびだされたものであるのです……。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さうして自分じぶんいのちんだにくかたまりが、まへをど時節じせつゆびつてたのしみにつた。ところ胎兒たいじは、夫婦ふうふ豫期よきはんして、五ヶげつまでそだつて突然とつぜんりて仕舞しまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これにはんして一個の定見あり自己の所信を国是として実行する者を「ステーツメン」という。しかるにいかなる政治家にてもその生けるあいだは敵より政治屋と罵詈讒謗ばりざんぼうせられる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
仏眼金輪ぶつげんこんりん五壇ノ法とか、一はん孔雀経くじゃくきょうとか、七ぶつ薬師熾盛光やくししきせいこう、五大虚空蔵こくうぞう、六観音、八字文殊、金剛童子ノ法などという、およそ聞くだに凄まじい咒法じゅほうばかりで、読経の声はシワ
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わがくにでは、學校がつこう大都會だいとかいはもとより田舍ゐなかまちむらにも立派りつぱなのがたくさんにあつて、日本につぽんほど學校がつこうのよくとゝのつたくに世界中せかいじゆうにもすくないといはれてをりますが、これにはんして學校がつこうはなくても
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
はん×(5)伝単でんたんまはしてつた労働者らうどうしゃ
これにはんして、陰気いんきな、さびしいあねは、またけっしてだれからもあいされなかったにちがいない。あねひとまちなかをさまよって、いもうとのいる場所ばしょさがしていました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やはらかにつもりつたが、はんして荒々あら/\しくこぶしをもかためて頭上かしらのうへ振翳ふりかざした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
やわらかにつもりであったが、はんして荒々あらあらしくこぶしをもかためて頭上かしらのうえ振翳ふりかざした。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)