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はん
ふりがな文庫
“
判
(
はん
)” の例文
足跡から
判
(
はん
)
ずると、ロボは
狼群
(
ろうぐん
)
の先に立ってわなへ近よると、
仲間
(
なかま
)
を止めて、自分ひとりでうまい
工合
(
ぐあい
)
にかきだしてしまうらしい。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
「もう
直
(
じき
)
に、
練馬
(
ねりま
)
の、
豊島園
(
としまえん
)
の裏へつくった
家
(
うち
)
へ越すので『女人芸術』のと、あなたのとの
判
(
はん
)
をこしらえてあげたいって。」
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
の
活計
(
くらし
)
は
苦
(
くる
)
しい
苛
(
つら
)
い
月
(
つき
)
ばかり
續
(
つゞ
)
いてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
流産
(
りうざん
)
した
御米
(
およね
)
の
蒼
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
も
必竟
(
つまり
)
は
世帶
(
しよたい
)
の
苦勞
(
くらう
)
から
起
(
おこ
)
るんだと
判
(
はん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、大正九年の
秋
(
あき
)
、たま/\ヨーロツパから
歸
(
かへ
)
つて來た
親戚
(
しんせき
)
の人からイーストマンの葉書
判
(
はん
)
の
寫眞器
(
しやしんき
)
をみやげにもらつた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「なるほど、そういえば、へんな模様だね。なんだか
判
(
はん
)
じ
物
(
もの
)
みたいだけれど、だれがこんなものをかいたのかなあ」
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
これ、はたして
武田勝頼
(
たけだかつより
)
その人であるか
否
(
いな
)
かは、あまりに、主客の
対話
(
たいわ
)
がかすかで、にわかに
判
(
はん
)
じがたいのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつて
奉化
(
ほうか
)
州の
判
(
はん
)
を勤めて居りました者の娘でございますが、父は先年この世を去りまして、家も次第に衰え、ほかに兄弟もなく、
親戚
(
みより
)
もすくないので
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こりゃ六兵衛、
汝
(
なんじ
)
が
盗人
(
ぬすっと
)
でない
証拠
(
しょうこ
)
を見せるために、
余
(
よ
)
の手のひらに書いた文字を当ててみよ。うまく
判
(
はん
)
じ当てたならば、のぞみ通りの
褒美
(
ほうび
)
をとらせよう。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
是非曲直
軽
(
かろ/″\
)
しく
判
(
はん
)
し難し。
如
(
し
)
かず、修練鍛磨して
叨
(
みだ
)
りに他人の非を測らざることをつとむるに。
山庵雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
それを
見込
(
みこ
)
みて
石之助
(
いしのすけ
)
、
今宵
(
こよひ
)
を
期限
(
きげん
)
の
借金
(
しやくきん
)
が
御座
(
ござ
)
る、
人
(
ひと
)
の
受
(
う
)
けに
立
(
た
)
ちて
判
(
はん
)
を
爲
(
し
)
たるもあれば、
花見
(
はなみ
)
のむしろに
狂風
(
けうふう
)
一
陣
(
ぢん
)
、
破落戸仲間
(
ごろつきなかま
)
に
遣
(
や
)
る
物
(
もの
)
を
遣
(
や
)
らねば
此納
(
このおさ
)
まりむづかしく
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
或る所で
臆面
(
おくめん
)
もなくこの頃南画を練習していますなどと話をしたら、
暫
(
しばら
)
くして、
判
(
はん
)
を作ったらどうだといって、丁度その頃札幌へ来ていた
篆刻家
(
てんこくか
)
を紹介してくれた人があった。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それは男に
活写
(
いきうつ
)
し、
判
(
はん
)
は
手札
(
てふだ
)
形とやらの
光沢消
(
つやけし
)
で、生地から思うと
少許
(
すこし
)
尤
(
もっとも
)
らしく
撮
(
と
)
れてはいましたが、根が
愛嬌
(
あいきょう
)
のある
容貌
(
おもばせ
)
の人で、写真顔が又た引立って美しく見えるのですから
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「これをきみにあずけておく。僕の退校届だ。このとおり
伯父
(
おじ
)
さんの
判
(
はん
)
がおしてある」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「私には謎はわかりません。私、
判
(
はん
)
じ
物
(
もの
)
なんぞあてることはまるで出來ませんから。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
無邪気でそしてまたいかにも
下賤
(
げす
)
ばったこれら愚民の習慣は、
馬鹿囃子
(
ばかばやし
)
にひょっとこの踊または
判
(
はん
)
じ
物
(
もの
)
見たような奉納の絵馬の
拙
(
つたな
)
い絵を見るのと同じようにいつも限りなく私の心を慰める。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
見て此
手跡
(
しゆせき
)
は源藏なり周藏が
印形
(
いんぎやう
)
は
名主
(
なぬし
)
惣内殿の印形喜平次のは源藏が
判
(
はん
)
是
(
これ
)
は如何にと周藏はお深に對ひコレお深殿此通りだが
未
(
まだ
)
若
(
わか
)
い
年
(
とし
)
をして周藏や喜平次が名を
騙
(
かた
)
るとはハテ
大盜賊
(
おほどろばう
)
と惣内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたくしの姓は
符
(
ふ
)
、
字
(
あざな
)
は
麗卿
(
れいけい
)
、名は
淑芳
(
しゅくほう
)
と申しまして、かつて
奉化
(
ほうか
)
州の
判
(
はん
)
(高官が低い官を兼ねる)を勤めておりました者の娘でございますが、父は先年この世を去りまして、家も次第に衰え
世界怪談名作集:18 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
瞿佑
(著)
銭形平次も腕を
拱
(
こまぬ
)
くばかり、この
判
(
はん
)
じ
物
(
もの
)
は容易に解けそうもありません。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
橘屋
(
たちばなや
)
の
若旦那
(
わかだんな
)
徳太郎
(
とくたろう
)
も、この
例
(
れい
)
に
漏
(
も
)
れず、
日
(
ひ
)
に一
度
(
ど
)
は、
判
(
はん
)
で
捺
(
お
)
したように
帳場格子
(
ちょうばごうし
)
の
中
(
なか
)
から
消
(
き
)
えて、
目指
(
めざ
)
すは
谷中
(
やなか
)
の
笠森様
(
かさもりさま
)
、
赤
(
あか
)
い
鳥居
(
とりい
)
のそれならで、
赤
(
あか
)
い
襟
(
えり
)
からすっきりのぞいたおせんが
雪
(
ゆき
)
の
肌
(
はだ
)
を
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
數限
(
かずかぎり
)
もない
材木
(
ざいもく
)
を
水
(
みづ
)
のまゝに
浸
(
ひた
)
してあるが、
彼處
(
かしこ
)
へ五
本
(
ほん
)
、
此處
(
こゝ
)
へ六
本
(
ぽん
)
、
流寄
(
ながれよ
)
つた
形
(
かたち
)
が
判
(
はん
)
で
印
(
お
)
した
如
(
ごと
)
く、
皆
(
みな
)
三方
(
さんぱう
)
から
三
(
みつ
)
ツに
固
(
かたま
)
つて、
水
(
みづ
)
を
三角形
(
さんかくけい
)
に
區切
(
くぎ
)
つた、あたりは
廣
(
ひろ
)
く、
一面
(
いちめん
)
に
早苗田
(
さなへだ
)
のやうである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日の思想から
判
(
はん
)
ずれば、狐はこれ人民の敵で、人は
汲々乎
(
きゅうきゅうこ
)
としてその害を避くるに
専
(
もっぱ
)
らであるけれども、祭った時代にはいろいろの好意を示し、また必ずしも仏法の軌範の内に
跼蹐
(
きょくせき
)
していなかった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
判
(
はん
)
じものだ、どうしたつて、これ。……
十年……
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
すると、山下氏は、
判
(
はん
)
でおしたように
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
僕
(
ぼく
)
が
判
(
はん
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
歸
(
かへ
)
るときに、
小六
(
ころく
)
は
袂
(
たもと
)
から
半紙
(
はんし
)
を
何枚
(
なんまい
)
も
出
(
だ
)
して、
缺席屆
(
けつせきとゞげ
)
が
入用
(
にふよう
)
だから
是
(
これ
)
に
判
(
はん
)
を
押
(
お
)
して
呉
(
く
)
れと
請求
(
せいきう
)
して、
僕
(
ぼく
)
は
退學
(
たいがく
)
か
在學
(
ざいがく
)
か
片
(
かた
)
が
付
(
つ
)
く
迄
(
まで
)
は
勉強
(
べんきやう
)
が
出來
(
でき
)
ないから
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さて、
余
(
よ
)
の家に
伝
(
つた
)
わる名刀のありかについて、そのうらないをその方に申しつける。正しく名刀のありかを
判
(
はん
)
じ当てるならば、ぞんぶんの
褒美
(
ほうび
)
を取らすぞ。」
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ビタ、ビタ、ビタ……足音はちかづいてきたが、星明かりぐらいでは、それが百姓だか侍だか
判
(
はん
)
じがつかないけれど、蛾次郎は、ひょいとまえへ立ちあらわれて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「黒い、大きな
判
(
はん
)
こが、朱肉になってくると、
商業
(
あきない
)
の具合がちがってくるな。」
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
付
(
つけ
)
其上にて
稼
(
かせ
)
ぎなば娘を請出す
時節
(
じせつ
)
も有なん
然
(
さ
)
はなくとも其内娘が
能
(
よき
)
客ありて身請をさるる事もや有んとお文にも言聞せ
直
(
すぐ
)
に證文を取極め
判
(
はん
)
人へ禮金三兩當人の
身附
(
みづき
)
金五兩を引去四十二兩の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「親分、そりゃどういう
判
(
はん
)
じ
文
(
もん
)
だろう?」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
意味
(
いみ
)
の
存
(
そん
)
する
處
(
ところ
)
何方
(
いづこ
)
ぞや
茫
(
ぼう
)
として
闇
(
くら
)
きわか
葉
(
は
)
のかげいとゞ
迷
(
まよ
)
ひは
茂
(
しげ
)
り
合
(
あ
)
ふばかり
晴
(
は
)
るゝよし
無
(
な
)
き
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
の
心〻
(
こゝろ/\
)
に
判
(
はん
)
じて
見
(
み
)
れど
何
(
いづ
)
れ
眞意
(
しんい
)
と
得
(
え
)
ぞわき
難
(
がた
)
く
喜
(
よろ
)
こぶべきか
歎
(
なげ
)
くべきかお
八重
(
やへ
)
はお
八重
(
やへ
)
優子
(
いうこ
)
は
優子
(
いうこ
)
斯
(
か
)
く
云
(
い
)
はれなば
斯
(
か
)
くせんの
决心
(
けつしん
)
互
(
たがひ
)
に
堅
(
かた
)
けれど
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
なる
返
(
かへ
)
しには
何
(
なに
)
と
定
(
さだ
)
めて
何
(
なに
)
とせん
未練
(
みれん
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
彼等
(
かれら
)
が
毎日
(
まいにち
)
同
(
おな
)
じ
判
(
はん
)
を
同
(
おな
)
じ
胸
(
むね
)
に
押
(
お
)
して、
長
(
なが
)
の
月日
(
つきひ
)
を
倦
(
う
)
まず
渡
(
わた
)
つて
來
(
き
)
たのは、
彼等
(
かれら
)
が
始
(
はじめ
)
から
一般
(
いつぱん
)
の
社會
(
しやくわい
)
に
興味
(
きようみ
)
を
失
(
うしな
)
つてゐたためではなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まことの挑戦状なら、何であのように
艶
(
つや
)
めかして書こうぞ。それとお
判
(
はん
)
じがつかなんだとは、さても婆娑羅を知らぬ一徹な
御仁
(
ごじん
)
かな——と、また腹を抱えて笑いおった
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取扱
(
とりあつか
)
ひ居候得ば
遊女
(
いうぢよ
)
に付候事は委細に辨へ居候と申にぞ大岡殿
然
(
しか
)
らば
抱
(
かゝ
)
へ
遊
(
いう
)
女文事丁山富事小夜衣の兩人は何人の
周旋
(
せわ
)
にて何れより
抱
(
かゝ
)
へたるや
請人等
(
うけにんとう
)
巨細
(
こさい
)
に申立よと
尋問
(
たづね
)
らるゝに文七丁山事は三河國藤川
在
(
ざい
)
岩井村百姓十兵衞と申
實親
(
じつおや
)
の
判
(
はん
)
にて麹町三丁目
醫師
(
いし
)
長庵儀は右十兵衞の兄なる由にて受人に
相立
(
あひたち
)
召抱
(
めしかゝ
)
へ候又妹小夜衣事は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
毎日
判
(
はん
)
で押したようにつづきましたが、
丁字
(
ちょうじ
)
風呂の二階に、ぽッと春の灯が
橙色
(
だいだいいろ
)
にともるころになりますと、お蝶も、日本左衛門も、期せずして
酔
(
えい
)
のさめたようなひとみに変り
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなら自分が今
茲
(
こゝ
)
で平岡の
為
(
ため
)
に
判
(
はん
)
を
押
(
お
)
して、連借でもしたら、
何
(
ど
)
うするだらう。矢っ張り
彼
(
あ
)
の時の様に奇麗に片付けて呉れるだらうか。
兄
(
あに
)
は
其所
(
そこ
)
迄考へてゐて、断わつたんだらうか。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると停車場の方から提燈を
点
(
つ
)
けた男が
鉄軌
(
レール
)
の上を
伝
(
つた
)
つて
此方
(
こつち
)
へ来る。
話
(
はな
)
し声で
判
(
はん
)
じると三四人らしい。提燈の影は踏切りから
土手下
(
どてした
)
へ隠れて、孟宗藪の
下
(
した
)
を通る時は、話し声丈になつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どれ」と、
入道
(
にゅうどう
)
はそれを受けとり、馬上で
扇面
(
せんめん
)
の文字を読み
判
(
はん
)
じて——
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絵かきだか何だか妙な
判
(
はん
)
じもののような者や、ポンチ画の広告見たような者や、長いマントを着て
尖
(
とが
)
ったような帽子を
被
(
かぶ
)
った
和蘭
(
オランダ
)
の植民地にいるような者や、一種特別な人間ばかりが行っている。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
信長
判
(
はん
)
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“判”の意味
《名詞》
(ハン)判断。判定。
(ハン)判決。
(ハン)判子。印判。
(ハン)書き判。花押。
(ハン、バン)判型。紙や書籍の大きさ。
(出典:Wiktionary)
判
常用漢字
小5
部首:⼑
7画
“判”を含む語句
判然
評判
判明
審判官
判官
審判
大評判
裁判所
論判
連判状
談判
判別
直談判
平判官康頼
印判
審判者
判断
裁判
裁判官
小判形
...