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縁
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よ
ふりがな文庫
“
縁
(
よ
)” の例文
そこに吾々は有限の形に
縁
(
よ
)
つて無限の生命に接觸し到達することを感ずる。有限固定の物質の中に、無限の生命の躍動を感ずる。
生みの力
(旧字旧仮名)
/
片上伸
(著)
心のみに
縁
(
よ
)
つてあらゆることが起つて来る。その心が果して宇宙の心につゞいてゐるか、何うか。永遠の生命につゞいてゐるか、何うか。
大阪で
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
然らざれば
則
(
すなわ
)
ち
険
(
けん
)
を
恃
(
たの
)
みて
衡
(
こう
)
を争い、然らざれば則ち衆を擁して入朝し、
甚
(
はなはだ
)
しければ則ち
間
(
かん
)
に
縁
(
よ
)
りて而して
起
(
た
)
たんに、之を防ぐも及ぶ無からん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
渠はいかにしてかなき
袖
(
そで
)
を振りける? 魚は木に
縁
(
よ
)
りて求むべからず、渠は他日の興行を質入れして前借りしたりしなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
外台秘要が既に旧面目を存せぬとすると、学者は何に
縁
(
よ
)
つて李唐以上の事を窮めようぞ。只一の医心方あるのみである。蘭軒はかう云つてゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
この『半肯定論法』は『全否定論法』或は『木に
縁
(
よ
)
つて魚を求むる論法』よりも信用を博し易いかと思ひます。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
戯
(
たは
)
わざなせそ」は、
戯
(
たわ
)
れ
業
(
わざ
)
をするな、
巫山戯
(
ふざけ
)
たまねをするな、というので、「うち
靡
(
しな
)
ひ
縁
(
よ
)
りてぞ妹は、
戯
(
たは
)
れてありける」(巻九・一七三八)の例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
今より後われ
爾曹
(
なんじら
)
を
僕
(
しもべ
)
と
称
(
いわ
)
ず。そは僕は其の主の
行
(
なす
)
ことを知らざれば也。我さきに爾曹を友と呼べり。我爾曹に我が父より聞きし所のことを尽く
告
(
つげ
)
しに
縁
(
よ
)
る。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
樹に
縁
(
よ
)
って上下し、追えども去らず、陳その妻子に言いしは、衆人言う、白鼠ある処には伏蔵ありと、これを掘って白金五十錠を獲たと(『淵鑑類函』四三二)。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼は何に
縁
(
よ
)
りてここに悟るところありしか。彼が見しこと聞きしこと時に触れ物に触れて、残さず余さずこれを歌にしたるは、
杜甫
(
とほ
)
が自己の経歴を
詳
(
つまびらか
)
に詩に作りたると
相
(
あい
)
似たり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
貫一はその
相貌
(
そうぼう
)
の
瞥見
(
べつけん
)
に
縁
(
よ
)
りて、
直
(
ただ
)
ちに彼の性質を
占
(
うらな
)
はんと
試
(
こころむ
)
るまでに、いと善く
見極
(
みきは
)
めたり。されども、いかにせん、彼の相するところは始に疑ひしところと
頗
(
すこぶ
)
る一致せざる者有り。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その外無論いろいろの細かい理由もあるが、ともかく議会によって下層民衆の目的を達せんとする当初の期待は経験上木に
縁
(
よ
)
って魚を求むるよりも困難なる夢想に過ぎないものとなった。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
あたかも木に
縁
(
よ
)
って魚を求むるが如きものであって、むしろ退いて網を結び、大いに法律学を起して国民精神を明確にし、
徐
(
おもむ
)
ろに民族の権利思想の統一を待つには如かないのであると論じた。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
獄を出でても
縁
(
よ
)
る辺なき身となってしまっては、折角一旦改悛せんとしても進んで正業に就くの方便なく、再び罪科を犯さねばならぬ事にもなるのは、実際やむをえない場合が多かったに相違ない。
放免考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
目は此の如し、鼻は此の如しと云はんも、到底これに
縁
(
よ
)
りて其眞相を想像するに由なからん。
唯
(
た
)
だ君の識る所の某に似たりと云ふに至りて、僅にこれを彷彿すべきのみ。山水を談ずるも亦復
是
(
かく
)
の如し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
貧者何に
縁
(
よ
)
ってか仏力を
蒙
(
こうむ
)
らん
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この『半肯定論法』は『全否定論法』或は『木に
縁
(
よ
)
って魚を求むる論法』よりも信用を博し易いかと思います。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし詩の変体としてこれを
視
(
み
)
れば、脚本、小説の価値も認めずには置かれず、脚本に
縁
(
よ
)
って演じ
出
(
いだ
)
す劇も、高級芸術として尊重しなくてはならなくなる。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「降る雪の」は正月のめでたい雪に
縁
(
よ
)
ってこの語があるのだが、「白髪」の枕詞の格に用いた。「白髪までに」は白髪になるまでということで簡潔ないい
方
(
かた
)
である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
太祖にして
此
(
この
)
詔を
遺
(
のこ
)
すとせば、太祖ひそかに
其
(
そ
)
の
斥
(
しりぞ
)
けて聴かざりし
葉居升
(
しょうきょしょう
)
の言の、諸王衆を擁して入朝し、
甚
(
はなはだ
)
しければ
則
(
すなわ
)
ち
間
(
かん
)
に
縁
(
よ
)
りて
起
(
た
)
たんに、
之
(
これ
)
を防ぐも及ぶ無き
也
(
なり
)
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
鑑三郎は嫡子京水
善直
(
ぜんちよく
)
の廃せられた後、其父錦橋の門人中より出でて宗家を継いだ
霧渓晋
(
むけいしん
)
の後裔である。鑑三郎に
縁
(
よ
)
つて分家京水の事を知ることは困難であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
梓弓
(
あづさゆみ
)
すゑはし知らず然れどもまさかは君に
縁
(
よ
)
りにしものを」(巻十二・二九八五)、「しらがつく
木綿
(
ゆふ
)
は花物ことこそは
何時
(
いつ
)
のまさかも常忘らえね」(同・二九九六)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
酒は水に因つて体を成し、茶は水に
縁
(
よ
)
つて用を発す。灘の酒は実に醸醞の技の巧を積み精を極むるによつて成ると
雖
(
いへども
)
、其の佳水を得るによつて、天下に冠たるに至れるもまた争ふべからず。
水
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
逍遙子は想に
縁
(
よ
)
りて派を立て、これを梅櫻の色
殊
(
こと
)
なるに比べ、類想派の作家に向ひて、個想派の作を求めむは、ふりたる梅園に向ひて其花の櫻ならざるを笑ふ如しといひ
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
○先づ四道に拠り、角を保ち傍に依り、辺に
縁
(
よ
)
り列を遮り、往〻相望む。
囲碁雑考
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
或は榛軒は前に進言する所があつて、己酉の禁令は此に
縁
(
よ
)
つて発せられたかも知れぬのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これは抽斎の本領を道破したもので、考証なしには六経に通ずることが出来ず、六経に通ずることが出来なくては、何に
縁
(
よ
)
って修養して
好
(
い
)
いか分からぬことになるというのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その作の自然に似たるは、作者の才、樣に依りて
胡盧
(
ころ
)
を畫く世の類想家に立ち超えたりければなり。早稻田文學はこれに
縁
(
よ
)
りて、シエクスピイヤを沒理想なりとす。われは其意を取りて其言を取らず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
縁
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“縁”を含む語句
因縁
由縁
縁端
所縁
縁付
離縁
縁辺
縁者
川縁
縁取
河岸縁
縁飾
縁附
血縁
縁側
縁起
縁故
縁喜
笹縁
縁切
...