フチ)” の例文
かなり大きなもので、唐櫃めいた風らしく考へられる。其やや小さくて、フチがあつて、盛り物でもするらしい机代りの品を、「外居案ホカヰヅクヱ」と言ふらしい。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
耕二はその笑に全く無関心のやうに、卓の端にのつかつてる茶々碗のフチに光つてる小さな電燈に吸ひ込まれるやうにそれをみながら、「緑茶センチヤ」と言つて口をムクムク動かした。
耕二のこと (新字旧仮名) / 中原中也(著)