“みどり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミドリ
語句割合
44.2%
31.2%
15.8%
美登利2.7%
翠色1.2%
美登里0.8%
翠緑0.8%
青緑0.8%
碧藍0.4%
碧緑0.4%
空翠0.4%
緑翠0.4%
0.4%
美鳥0.4%
葉黄0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この絵本の色彩は歌麿が『吉原年中行事よしわらねんちゅうぎょうじ』と同じく各色かくしょくの間に配合せられしみどり二色にしょくは常によく全画面の色調を温和ならしめたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
谷あいの草原を飾る落葉松や白樺の夢のように淡いみどり、物寂びた郭公かっこうの声、むせぶような山鳩のなく音、谷の空を横さまに鳴く杜鵑ほととぎす
秩父の渓谷美 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
戸を明くれば、十六日の月桜のこずゑにあり。空色くうしよくあはくしてみどりかすみ、白雲はくうん団々だん/″\、月にちかきは銀の如く光り、遠きは綿の如くやわらかなり。
花月の夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「たけくらべ」に正太が美登利みどりに向って水道尻の加藤でいっしょに写真をうつそうと云うくだりがある。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
そのお饒舌のてがらでゝ連れられて行つてやつたら角から二軒目の宿屋へ案内した。二階の障子を明け離してごゞ島の翠色みどりが延ばす手に染みつきそうな海を眺めながら七十五銭の昼飯を食つた。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
またおしゃまな娘美登里みどりの住んでいた大黒屋の寮なども大方このあたりのすたれた寺や、風雅な潜門くぐりもんの家を、そのまま資料にしたものであろうと
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
翠緑みどりをへだてて宮城にむかふ建築が、歐米各國の樣式であつて、調はないといふやうにもきいてゐるが、わたくしなどには、それらの諸建築が宮城外廓の、日本式の白壁に相對して
東京に生れて (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
彼等がひねもす物語をした客殿のとこ青緑みどりであつたと書いてある。あまり物もたべず、酒ものまず、ただ乾杏子をたべて、乾葡萄をたべて、涼しい果汁をすこし飲んでゐたかもしれない。
乾あんず (新字旧仮名) / 片山広子(著)
碧藍みどりの天地へ流したそれを、かいつまんで伝えればこんなことになる。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
天地の碧藍みどりが、太陽の光りをとおして、にじの色に包まれて輝いている。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
明澄な碧緑みどりの空気の中におくと、広い額の下に、ふっくらした眼瞼まぶたに守られた、きれ長な、細い、長い眼が——慈眼そのもののような眼もとが、モルガンが日本で見た
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
裏の酒井の墓塋はかの大樹の繁茂しげりが心地よき空翠みどりをその一室にみなぎらした。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
東京芝白金の近郊ちかく谷峡たにが三つ寄つた所がある。そこは、あちらもこちらも滴る許りの緑翠みどりで飾られて居るので唯谷間の湿つぽい去年の稲の株がまだかやされて居ない田圃だけに緑がない。
汝また知るべし、一の罪とともに、まさしくこれと相反する咎、そのみどりをこゝにらすを 四九—五一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
妹の美鳥みどりがしきりに心配して止めているのであった。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
若松の芽だちの葉黄みどり ながき日を 夕かたまけて、熱いでにけり
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)