美登利みどり)” の例文
だから横町よこてう野蕃漢じやがたら馬鹿ばかにされるのだとひかけてよわいをはづかしさうな顏色かほいろ何心なにごゝろなく美登利みどり見合みあはつまの可愛かわゆさ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「たけくらべ」に正太が美登利みどりに向って水道尻の加藤でいっしょに写真をうつそうと云うくだりがある。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
「一葉! わたくしスッカリ忘れていましたわ。そう/\一葉がいますね。妾が、今まで読んだ小説の女主人公の中で、あの『たけくらべ』の中の美登利みどりほど好きな女性はないのですもの。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
畦道あぜみちづたいに美登利みどりの帰ってくる中田圃の稲荷とはこれである
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
三日三夜泣きつゞけし美登利みどり
つみのやうにひらあやまりに謝罪あやまつて、いたみはせぬかと額際ひたいぎわあげれば、美登利みどりにつこりわらひてなに負傷けがをするほどでは
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
正太しようたはかけりてたもとおさへ、美登利みどりさん昨夕ゆふべ御免ごめんよと突然だしぬけにあやまれば、なにもおまへ謝罪わびられることい。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今三年の後に見たしと廓がへりの若者は申き、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生國しやうこくは紀州、言葉のいさゝかなまれるも可愛く、第一は切れ離れよき氣象を喜ばぬ人なし、子供に似合ぬ銀貨入れの重きも道理
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今三年ののちに見たしとくるわがへりの若者は申き、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生国せうこくは紀州、言葉のいささかなまれるも可愛かわゆく、第一は切れ離れよき気象を喜ばぬ人なし、子供に似合ぬ銀貨入れの重きも道理
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)