“さお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サオ
語句割合
41.6%
竿26.7%
14.9%
11.8%
1.0%
水棹0.5%
佐保0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.3%
小雄0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仏勤めはするのであるがまだ数珠じゅずは近い几帳きちょうさおに掛けられてあって、経を読んでいる様子は絵にもきたいばかりの姫君であった。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
袋へ入れた竿さお餌箱えばこ魚籠びくはなかった、彼の釣りには魚籠は要らないのである。雇い仲間の段平は、旦那が忘れたのだろうと思った。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ひのきの一杯いっぱいにしげっている谷の底に、五つ六つ、白いかべが見えその谷には海が峡湾きょうわんのような風にまっさおに入りんでいました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みつは、少年しょうねんのたおれているところへきました。ると、その顔色かおいろさおになっています。そして、くるしそうにいきをしていました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
然し我々の人力車夫は一向おかまい無しで、石の周囲を掘り、さお槓杆てこにして、我々はそれをひっくり返した。図585はこの外見をざっと写生したもので、内側は小間パネルに刻んである。
暗い晩で、川の水が処々鉛色におも光りがして見えた。石を重りにして磧へ着けてあった渡舟の傍へ往くと、常七はかがんで重りの石を持って舟へ乗り、それから水棹さおを張った。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ながむればころもで寒し夕月夜佐保さおのかはらの秋のはつ風
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
書房ふみやすかさずこの船人の脇艪わきろを押す事を許されたりとて、自己おのれをして水先見よと乞うて止まねば、久しく採らぬ水茎みずぐき禿ちびたるさおやおら採り、ソラ当りますとの一言いちげん新版発兌しんぞおろしの船唄に換えて序とす。
「ええ、忌々しいよ、のっぺり面の極道者めらが!」と、おさんどんは口汚なく罵りながら、なんとか鉄のさおにとっつかまって、ぐらぐらする樽から脱け出そうと懸命だった。
王はすきを見て金を水の中へつきおとした。金の父親はそれを見て大声をあげようとすると、船頭がさおでついた。金の父親もそのまま水の中へ落ちてしまった。金の母親がその声を聞いて出てのぞいた。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
山岡大夫はともづなを解いた。さおで岸を一押し押すと、舟はゆらめきつつ浮び出た。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
男の何かしら廻りくどい所作の道具に使われて、命を失いかけている小雄さお鹿を、その男と共に、無駄なことの犠牲になった悲運のものと思うだけだった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
二三人が、船頭に合せて、槍を、さおの代りにして、舟を押出していた。旗本は、一固まりになって、小さく、無言でうつむいていた。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
さおの飛び交うひまに
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まっさおな空では、はちすずめがツァリル、ツァリル、ツァリルリン、ツァリル、ツァリル、ツァリルリンと鳴いて二人とりんどうの花との上をとびめぐっておりました。