“さを”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
40.8%
竿25.2%
20.4%
7.8%
1.9%
1.0%
1.0%
眞青1.0%
竿棹1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舟人のさをを留めたるとき、われは何處に往くべきぞと問ひぬ。舟人は家と家との間を通ずる、橋の側なるせばこうぢを指ざし教へつ。
船頭は竿さをを弓のやうに張つて、長い船縁ふなべりを往つたり来たりした。竿さをを当てる襦袢じゆばん処々ところどころ破れて居た。一竿ひとさを毎に船は段々とくだつて行つた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
荒浪の天うつ波の逆まきのとどろきが上、あああはれ、また、向き向きに、稲妻のさをおびえに連れ連れ乱る、啼き連れ乱る。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つねは顔色がさをになつたが、やう/\先に立つて板塀の戸口に往つて、もし/\と声を掛けた。しかし教へられた口上を言ふことは出来なかつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
又人あつて流に溯つて船をるに水勢の我に利あらずして、腕力既に萎えんとしたる如き時、猶強ひてを操りさをを張るを廢せず、流汗淋漓として勞に服する場合などをも
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
もう一人は風見かざみの鶏だつた。これはびつくりしたやうに、ぎいぎいさをの上に啼きまはつた。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また問ひたまはく「みともに仕へまつらむや」と問はしければ、答へて曰はく「仕へまつらむ」とまをしき。かれここにさをを指しわたして、その御船に引き入れて、槁根津日子さをねつひこといふ名を賜ひき。
眞青さをなる水に陷らば
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
汽船では乗客を皆な別の船に移して、荷を軽くして船員そうがゝりで、長い竿棹さをを五本も六本も浅い州に突張つつぱつて居た。しかも汽船は容易に動かなかつた。煙突からは白い薄いけぶりいたづらに立つて居た。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)