水棹さお)” の例文
そしてついに衆のいきどおりをこめた声が「わあッ」となって、かい水棹さお、水揚げかぎ、思い思いな得物えものを押っとり、李逵へむかってかかって来た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暗い晩で、川の水が処々鉛色におも光りがして見えた。石を重りにして磧へ着けてあった渡舟の傍へ往くと、常七はかがんで重りの石を持って舟へ乗り、それから水棹さおを張った。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それも陸上でなく、小舟に、水棹さおさし、江の岸を先廻りしていたのであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)