れい)” の例文
れいか、熱か、匕首ひしゅ、寸鉄にして、英吉のその舌の根を留めようとあせったが、咄嗟とっさに針を吐くあたわずして、主税は黙ってこぶしを握る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶の間では、すッくとち上った喬之助が、手早く帯を締め直している。いつの間に抜き放ったのか、れい々たる九寸五分を口にくわえて。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
れいですよ。かんではありませんよ——定屋様はこの方で被入いらっらしゃるから」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
れいですよ、かんではごはせんよ——地親ぢやうやさんは是方こつちでいらつしやるから。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
れいれいたる茶室に、男の感情が大きくひろがったのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)