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冷
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さま
ふりがな文庫
“
冷
(
さま
)” の例文
男たちは
自
(
おのづ
)
から
荒
(
すさ
)
められて、女の
挙
(
こぞ
)
りて
金剛石
(
ダイアモンド
)
に
心牽
(
こころひか
)
さるる
気色
(
けしき
)
なるを、
或
(
あるひ
)
は
妬
(
ねた
)
く、或は浅ましく、多少の興を
冷
(
さま
)
さざるはあらざりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それが一合あれば砂糖を適宜に加えて火にかけて水に漬けたゼラチン四枚を入れて
冷
(
さま
)
します。
乾杏
(
ほしあんず
)
の煮たのを汁ともに固めても出来ます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
と涙も忘れて、胸も、
空洞
(
うつろ
)
に、ぽかんとして、首を
真直
(
まっすぐ
)
に
据
(
す
)
えながら潟の
鮒
(
ふな
)
の
碗
(
わん
)
を
冷
(
さま
)
して、
箸
(
はし
)
をきちんと、膝に手を置いた
状
(
さま
)
は
可哀
(
あわれ
)
である。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
レールは、
熱
(
あつ
)
くなった
体
(
からだ
)
を、
早
(
はや
)
く
水
(
みず
)
に
浴
(
あ
)
びて
冷
(
さま
)
したいと
思
(
おも
)
いました。また、
花
(
はな
)
は、
早
(
はや
)
く、
水
(
みず
)
を
吸
(
す
)
って
死
(
し
)
にそうな
渇
(
かわ
)
きをば、いやしたいと
思
(
おも
)
いました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
新「お園どんお薬が出来たからお飲みなさい、
余
(
あんま
)
り
冷
(
さま
)
すときかないから、丁度飲加減を持って来たが、
後
(
あと
)
は二番を」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
牛乳を
煮
(
に
)
て
冷
(
さま
)
して置きますと薄く上へ張って来るクリーム、それを集めてその中に黒砂糖を入れたものであります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
舟は我熱を
冷
(
さま
)
すに宜しからんとおもへば乘りぬ。舟人は
棹
(
さを
)
取りて岸邊を離れ、帆を揚げて風に任せたるに、さゝやかなる
端艇
(
はぶね
)
の
快
(
こゝろよ
)
く、紅の波を
凌
(
しの
)
ぎ行く。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
次に手ばしこく蒲團を
畳
(
たた
)
んで押入へ押籠む……夜の
温籠
(
ぬくもり
)
は、
二十日鼠
(
はつかねづみ
)
のやうに動くお房の
煽
(
まほり
)
と、中窓から入ツて來る大氣とに
冷
(
さま
)
されて、其處らが
廓然
(
からり
)
となる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
其時
(
そのとき
)
彼
(
かれ
)
は
美
(
うつ
)
くしい
山
(
やま
)
の
色
(
いろ
)
と
清
(
きよ
)
い
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
が、
最初
(
さいしよ
)
程
(
ほど
)
鮮明
(
せんめい
)
な
影
(
かげ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
頭
(
あたま
)
に
宿
(
やど
)
さないのを
物足
(
ものた
)
らず
思
(
おも
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
彼
(
かれ
)
は
暖
(
あたゝ
)
かな
若
(
わか
)
い
血
(
ち
)
を
抱
(
いだ
)
いて、
其
(
その
)
熱
(
ほて
)
りを
冷
(
さま
)
す
深
(
ふか
)
い
緑
(
みどり
)
に
逢
(
あ
)
へなくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さ、ちっと
冷
(
さま
)
してから食うと
美味
(
うま
)
いよ。芳ばしくて。——自分で焼いて見なさい」
一太と母
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
姑
(
おふくろ
)
は
煮団子
(
ガルーシュキ
)
を少し
冷
(
さま
)
さうと思つて大鍋から鉢へ小分けにして移してをりましたのさ。仕事の後で、皆んなひどく腹がへつてたもんだから、団子の
冷
(
さめ
)
るのが待ちきれなかつたんでさあね。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
但
(
ただ
)
し
何
(
いづ
)
れかと云ふと僕は
此
(
この
)
春の
伊太利
(
イタリイ
)
の未来派の絵の方に余計に同感せられる。
仏蘭西
(
フランス
)
の其れは画家の詩でも音楽でもなく、画家の印象を
冷
(
さま
)
して装飾画化して
行
(
ゆ
)
く嫌ひのあるのを不満に思ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
河岸山 どこかで
余温
(
ほとぼり
)
を
冷
(
さま
)
してから来る
心算
(
つもり
)
か知れぬな。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
僅
(
わづか
)
にかく言ひ放ちて貫一は
厳
(
おごそ
)
かに沈黙しつ。満枝もさすがに
酔
(
ゑひ
)
を
冷
(
さま
)
して、彼の
気色
(
けしき
)
を
候
(
うかが
)
ひたりしに、例の
言寡
(
ことばすくな
)
なる男の次いでは言はざれば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一夜
冷
(
さま
)
しておいて明日召上る前に温めて出しますと肉の味と
汁
(
しる
)
の味とよく調和して
極
(
ご
)
く美味しい処が食べられます。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そんなに、だらしなく意気地なく、色恋も、
情
(
なさけ
)
も首尾も忘れたような
空洞
(
うつろ
)
になったも、燃立つ心を
冷
(
さま
)
し冷し、
家
(
うち
)
を大事と思うばかり。その家だって私のじゃない。……
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時彼は美くしい山の色と清い水の色が、最初ほど鮮明な影を自分の頭に宿さないのを物足らず思い始めた。彼は暖かな若い血を
抱
(
いだ
)
いて、その
熱
(
ほて
)
りを
冷
(
さま
)
す深い緑に逢えなくなった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吉原へ繰込みましては
川岸
(
かし
)
遊びにヤッと熱を
冷
(
さま
)
しておりました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
...
湯煮
(
ゆだ
)
った時鮎を取揚げて魚も汁も双方を
冷
(
さま
)
しておいてその魚へ今の冷えた汁をかけて出します」玉江嬢「そうでございますか。鮎には色々のお料理がございますね」
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我命にも換へて
最愛
(
いとをし
)
みし人は
芥
(
あくた
)
の如く我を
悪
(
にく
)
めるよ。恨は彼の骨に徹し、
憤
(
いかり
)
は彼の胸を
劈
(
つんざ
)
きて、ほとほと身も世も忘れたる貫一は、あはれ奸婦の肉を
啖
(
くら
)
ひて、この
熱膓
(
ねつちよう
)
を
冷
(
さま
)
さんとも思へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と
呟
(
つぶや
)
きながら、湯呑に
冷
(
さま
)
したりし茶を見るより、無遠慮に手に取りて
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
玉子はアクを取るためですから冷たい処へ入れなければなりません。何でも玉子でアクを取る時には
一旦
(
いったん
)
冷
(
さま
)
して玉子を入れてよく掻き廻してそれからまた火へかけなければなりません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
月
(
つき
)
の
雫
(
しづく
)
が
冷
(
さま
)
すのであらう。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それを少し煮たらブリキ型へ入れて
冷
(
さま
)
して固めるのがゼリーです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
冷
常用漢字
小4
部首:⼎
7画
“冷”を含む語句
冷笑
冷々
冷評
冷遇
冷水
冷淡
冷嘲
冷酒
冷却
冷奴
冷凍
湯冷
冷飯
冷泉
底冷
寒冷
冷気
秋冷
朝冷
冷冷
...