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冷
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ひやゝか
ふりがな文庫
“
冷
(
ひやゝか
)” の例文
樹の枝が
屡
(
しば/″\
)
車の幌に觸れる。車は既に山腹を削つた岨道を攀ぢて行くのである。空氣の澄渡つて
冷
(
ひやゝか
)
なことが際立つて感じられて來る。
十年振:一名京都紀行
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「それぢや、これからもう、家が淋しいの
冷
(
ひやゝか
)
だのと
有仰
(
おつしや
)
らないで下さいまし。無能力な動物に何も出來やう筈がございませんわ。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
公子夫婦の心
冷
(
ひやゝか
)
なる、既に好き聽衆とすべきならぬに、今又此毒舌の翁を獲つ。我が本讀の前兆は
太
(
はなは
)
だ佳ならざるが如くなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
十八日に
新嘉坡
(
シンガポウル
)
を
出
(
い
)
で、二十三日に
香港
(
ホンコン
)
に
入
(
い
)
り
候
(
さふらふ
)
迄また私は
甲板
(
かふばん
)
を
覗
(
のぞ
)
かんともせず
候
(
さふら
)
ひき。気候は次第に
冷
(
ひやゝか
)
になりセルさへ
軽
(
かろ
)
きに過ぐる心地する
夜
(
よ
)
もあり
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「
誰
(
だれ
)
です、あなたは。」と
冷
(
ひやゝか
)
で。
私
(
わたし
)
こんなのをきくとすつきりする、
眼
(
め
)
のさきに
見
(
み
)
える
気
(
き
)
に
くわ
(
ママ
)
ないものに、
水
(
みづ
)
をぶつかけて、
天窓
(
あたま
)
から
洗
(
あら
)
つておやんなさるので、いつでもかうだ、
極
(
きは
)
めていゝ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「
然
(
さ
)
う
有仰
(
おつしや
)
れば、女だツて
仍且
(
やつぱり
)
然
(
さ
)
うでございませうよ。出來る事なら
獨
(
ひとり
)
でゐた方が幾ら
氣樂
(
きらく
)
だか知れやしません。」と
冷
(
ひやゝか
)
にいふ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
我はこれを受くるとき、畫工の手の氷の如く
冷
(
ひやゝか
)
になりて、いたく震ひたるに心づきぬ。我はいよ/\騷ぎ出し、母を呼びてます/\泣きぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あはれ此夢いつかは
醒
(
さ
)
めん、醒めてこの怖るべき
形相
(
ぎやうさう
)
は消え
淪
(
ほろ
)
びなん。心を鎭めて目を閉づれば、
冷
(
ひやゝか
)
なる山おろしの風は我頬を
繞
(
めぐ
)
りて吹けり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「此の猫だツて、誰かに可愛がられて、鼠を踏んまへて
唸
(
うな
)
ツたことがあるのだ……ふゝゝゝ。」と無意味に、
冷
(
ひやゝか
)
に笑ツて
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「フン、女の
癖
(
くせ
)
に二合も
飮
(
い
)
けりや
豪儀
(
がうぎ
)
だゼ。」とお房は
冷
(
ひやゝか
)
に謂ツて、些と傍を向き、「だツて、
一月
(
ひとつき
)
儉約
(
けんやく
)
して
御覧
(
ごらん
)
なさいな、チヤンと
反物
(
たんもの
)
が一
反
(
たん
)
購
(
か
)
へますとさ。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
とブツ/\いふ。其の態度が
奈何
(
いか
)
にも
冷
(
ひやゝか
)
で、
謂
(
い
)
ふこともキチンと
條理
(
でうり
)
が立ツてゐる。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雪は
霽
(
あが
)
ツて、灰色の空は雲切がして、
冷
(
ひやゝか
)
な日光が薄ツすりと射す。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
而
(
す
)
ると、風早學士は、
冷
(
ひやゝか
)
に笑ツて
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
冷
常用漢字
小4
部首:⼎
7画
“冷”を含む語句
冷笑
冷々
冷評
冷遇
冷水
冷淡
冷嘲
冷酒
冷却
冷奴
冷凍
湯冷
冷飯
冷泉
底冷
寒冷
冷気
秋冷
朝冷
冷冷
...