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晩秋
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ばんしゅう
ふりがな文庫
“
晩秋
(
ばんしゅう
)” の例文
夕食後、いつものようにこの居間にこもって、見残した諸届け願書の類に眼を通し出してから、まださほど
刻
(
とき
)
が移ったとも思われないのに、
晩秋
(
ばんしゅう
)
の夜は早く
更
(
ふ
)
ける。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それを正面のたかき
石段
(
いしだん
)
にあおいで、ひろい
平地
(
へいち
)
の
周囲
(
しゅうい
)
も、またそれからながめおろされる
渓谷
(
けいこく
)
も、四
顧
(
こ
)
の山も
沢
(
さわ
)
も
万樹
(
ばんじゅ
)
鮮紅
(
せんこう
)
に
染
(
そ
)
められて、
晩秋
(
ばんしゅう
)
の
大気
(
たいき
)
はすみきッている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
花は形が大きく
且
(
か
)
つはなはだ
風情
(
ふぜい
)
があり、ことにもろもろの花のなくなった
晩秋
(
ばんしゅう
)
に咲くので、このうえもなく
懐
(
なつ
)
かしく感じ、これを愛する気が
油然
(
ゆうぜん
)
と
湧
(
わ
)
き出るのを禁じ得ない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
雨が
落
(
お
)
ちたり
日影
(
ひかげ
)
がもれたり、
降
(
ふ
)
るとも降らぬとも
定
(
さだ
)
めのつかぬ、
晩秋
(
ばんしゅう
)
の
空
(
そら
)
もようである。いつのまにか風は、ばったりなげて、人も気づかぬさまに、
小雨
(
こさめ
)
は足のろく降りだした。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
二
階
(
かい
)
のガラス
戸
(
ど
)
から、あさぎ
色
(
いろ
)
の
空
(
そら
)
が、
遠
(
とお
)
い
記憶
(
きおく
)
のようにのぞいていました。
晩秋
(
ばんしゅう
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
桜
(
さくら
)
のこずえに
残
(
のこ
)
った、わずかばかりの
葉
(
は
)
を
透
(
すか
)
して、
花
(
はな
)
よりもきれいに
見
(
み
)
せています。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
柿丘の死後二ヶ月経った
晩秋
(
ばんしゅう
)
の或る朝、僕はその日を限って、呉子さんの口から、或る喜ばしい誓約をうけることになっているのを思い浮かべながら、新調の三つ揃いの背広を
縁側
(
えんがわ
)
にもち出し
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“晩秋”の意味
《名詞》
晩 秋(ばんしゅう)
秋の終りの頃。11月中旬から12月初めあたりまでの時期を指すことが多いが、初冬の時期とも重複することも多い。
陰暦九月。
(出典:Wiktionary)
晩
常用漢字
小6
部首:⽇
12画
秋
常用漢字
小2
部首:⽲
9画
“晩”で始まる語句
晩
晩餐
晩方
晩酌
晩食
晩飯
晩春
晩餐会
晩稲
晩夏