余寒よかん)” の例文
旧字:餘寒
これ余寒よかんの暁に雨のみじかくやみたる気運きうん機工からくりてかゝる奇景きけいを見たるなりとて、めづらしがりてかたられしが、暖地だんちにてはめづらしくもあるべけれど
今と違って若春わかはる余寒よかんも強く、松の内はると人ッ子一人通りませんからしんとして居りまして、往来はぱったり有りません。日光おろしがビー/\と吹来る。
時候は立春、暮春ぼしゅん余寒よかんあたたかうらら長閑のどか日永ひながの類をいふ。人事は初午はつうま二日灸ふつかきゅう涅槃会ねはんえ畑打はたうち雛祭ひなまつり汐干狩しおひがりの類をいふ。天文は春雪、雪解、春月、春雨、霞、陽炎かげろうの類をいふ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
鎌倉を驚かしたる余寒よかんあり
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
一簡いっかん奉啓上候けいじょうそうろう余寒よかん未難去候得共いまださりがたくそうらえども益々御壮健恐悦至極きょうえつしごく奉存候ぞんじそうろう然者しかれば当屋敷御上おかみ始め重役の銘々少しも異状かわり無之これなく御安意可被下候ごあんいくださるべくそうろうついては昨年九月只今思いだし候ても誠に御気の毒に心得候御尊父を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)