“のんき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暢気49.8%
呑気42.7%
暢氣4.7%
呑氣1.6%
長閑気0.5%
延氣0.2%
野氣0.2%
長閑0.2%
閑散0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陸田城代は自白書を書くだろうか、「日日平安」などという暢気のんきな人だから、高をくくって書くかもしれない。と菅田平野は考えた。
日日平安 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「あなたって子は、ずいぶん呑気のんきな、阿呆あほったらしい子でしたがねえ、ええ、かなり大きくなったって、何だかぼんやりしてたわ。」
唯三人でやつて居た頃は隨分暢氣のんきなものであつたが、遠からず紙面やら販路やらを擴張すると云ふので、社屋の新築と共に竹山主任が來た。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その松原の蔭の小さな可愛らしい家には一人二人と大工や左官たちが呑氣のんきさうに出入りしてゐるのみであつた。
樹木とその葉:04 木槿の花 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
こんな長閑気のんき仙人せんにんじみた閑遊かんゆうの間にも、危険は伏在ふくざいしているものかと、今更ながら呆れざるを得なかった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
本船ほんせん愚昧おろかなる船長せんちやうは『船幽靈ふないうれいめが、難破船なんぱせん眞似まねなんかして、このふね暗礁あんせうへでも誘引おびせやうとかゝつてるのだな。』と延氣のんきことつてつたが、其實そのじつ船幽靈ふないうれいならぬ海賊船かいぞくせん
夕日ゆふひしづころ櫻木大佐さくらぎたいさ武村兵曹たけむらへいそうも、いたつかれてかへつてたが、終日しうじつ延氣のんきあそんだ吾等われら兩人りやうにんかほの、昨日きのふよりは餘程よほどすぐれてへるとて、大笑おほわらひであつた。この夜更よふけまで色々いろ/\快談くわいだん
出せかしと勸告せらるゝむきもあれどイヤ其の仰せは僻事ひがごとなりもと堅く出て左樣ないやらしき儀一切いつせつ謝絶諸事頼朝流の事と取極め政子崇拜主義となりぬ皆樣みなさんも是非饗庭黨あへばたうとなり玉へ世の中まことに穩かにて至極野氣のんきで第一は壽命の藥女は命を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
この広い家に年のいかないもの二人きりであるが、そこは巡査おまわりさんも月に何度かしか回って来ないほどの山間やまあい片田舎かたいなかだけに長閑のんきなもので、二人は何の気も無く遊んでいるのである。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
畠を作ったり、鶏を飼ったりした八年間の田園生活、奈何どんなにそれが原の身にとって、閑散のんきで、幽静しずかで、楽しかったろう。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)