トップ
>
呑氣
>
のんき
ふりがな文庫
“
呑氣
(
のんき
)” の例文
新字:
呑気
全く無神經らしい健康な女を見てゐると、おつさんのやうなぢいさんでも、何の交換條件も無しに身を任せさうな氣もして、三田の心は
呑氣
(
のんき
)
になつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
その松原の蔭の小さな可愛らしい家には一人二人と大工や左官たちが
呑氣
(
のんき
)
さうに出入りしてゐるのみであつた。
樹木とその葉:04 木槿の花
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
其意味を面倒に述べ立てるのは
大袈裟
(
おほげさ
)
だから
止
(
よ
)
しますが、私は自分で小説を書くと
其
(
その
)
あとが心持ちが惡い。それで
呑氣
(
のんき
)
な
支那
(
しな
)
の詩などを讀んで埋め合せを付けてゐます。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
十一
時頃
(
じごろ
)
から
熱
(
ねつ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たので
自分
(
じぶん
)
はプラツトホームの
眞中
(
まんなか
)
に
設
(
まう
)
けある四
方
(
はう
)
硝子張
(
がらすばり
)
の
待合室
(
まちあひしつ
)
に
入
(
はひ
)
つて
小
(
ちひ
)
さくなつて
居
(
ゐ
)
ると
呑氣
(
のんき
)
なる
義母
(
おつかさん
)
はそんな
事
(
こと
)
とは
少
(
すこ
)
しも
御存知
(
ごぞんじ
)
なく
待合室
(
まちあひしつ
)
を
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それには、お土産には綺麗な貝殼を持つて歸りませうなどゝ
呑氣
(
のんき
)
なことが書いてあつた。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
▼ もっと見る
「子供などアどうでもいいんです——そんな
呑氣
(
のんき
)
なことぢやアありません!」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
清吉は
呑氣
(
のんき
)
に秋の向島の紅葉しかけた葉櫻の土手を眺めてをります。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おらは
呑氣
(
のんき
)
だ。」と
煙
(
けむり
)
が
輪
(
わ
)
に
成
(
な
)
る。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たまには
學校
(
がくかう
)
の
下讀
(
したよみ
)
やら
研究
(
けんきう
)
やらに
追
(
お
)
はれてゐる
多忙
(
たばう
)
の
身
(
み
)
だと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
もして
見
(
み
)
せた。
小六
(
ころく
)
は
友達
(
ともだち
)
からさう
呑氣
(
のんき
)
な
怠
(
なま
)
けものゝ
樣
(
やう
)
に
取
(
と
)
り
扱
(
あつか
)
はれるのを、
大變
(
たいへん
)
不愉快
(
ふゆくわい
)
に
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
文藝界の人々はまたその上を越して馬鹿
呑氣
(
のんき
)
であること。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「
兄
(
にい
)
さんも
隨分
(
ずゐぶん
)
呑氣
(
のんき
)
ね」と
小六
(
ころく
)
の
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いて、
半
(
なか
)
ば
夫
(
をつと
)
を
辯護
(
べんご
)
する
樣
(
やう
)
に
云
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
細君
(
さいくん
)
から
茶碗
(
ちやわん
)
を
受取
(
うけと
)
つて、
一言
(
ひとこと
)
の
辯解
(
べんかい
)
もなく
食事
(
しよくじ
)
を
始
(
はじ
)
めた。
小六
(
ころく
)
も
正式
(
せいしき
)
に
箸
(
はし
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今の人の手にする文學書にはヸーナスとかバツカスとかいふ
呑氣
(
のんき
)
な名前は
餘
(
あま
)
り出て來ないやうです。
希臘
(
ギリシア
)
のミソロジーを知らなくても、イブセンを讀むには
殆
(
ほと
)
んど
差支
(
さしつかへ
)
ないでせう。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
氣
部首:⽓
10画
“呑”で始まる語句
呑
呑気
呑込
呑噬
呑舟
呑吐
呑気者
呑口
呑乾
呑気屋