おもひもの)” の例文
……けむりとほいのはひとかとゆる、やまたましひかとゆる、みねおもひものかとゆる、らし夕霧ゆふぎりうすく、さと美女たをやめかげかともながめらるゝ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ればよなとおもひながら、殊更ことさららずがほよそほひつゝ、主人あるじ御婦人ごふじんなるにや、さて何某殿なにがしどの未亡人びばうじんとか、さらずはおもひものなんどいふひとか、べつしてあたへられたる邸宅ていたくかとへば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ころ近國きんごく知事ちじおもひものりました……めかけとこそへ、情深なさけぶかく、やさしいのを、いにしへ國主こくしゆ貴婦人きふじん簾中れんちうのやうにたゝへられたのがにしおふなか河内かはち山裾やますそなる虎杖いたどりさと
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(しかし、……やがて知事ちじおもひものつたことまへ一寸ちよつとまをしました。)
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
知事ちじおもひものつて、いへたのは、あきだつたのでありました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)