-
トップ
>
-
御婦人
「
旦那、くどい
事をお
尋ね
申しますやうでござりますが、あの
其の十三
囘忌の
今日の
佛樣は、
旦那衆でござりますか、それとも
御婦人で、」
何故と
被言りませ、
姫さまはまだ
齡がゆかッしゃらぬによって、
騙さッしゃるやうであれば、ほんにそれは
惡いこっちゃ、
御婦人を
騙さッしゃるは
卑怯ぢゃ、
非道ぢゃ。
然ればよなと
思ひながら、
殊更に
知らず
顏粧ひつゝ、
主人は
御婦人なるにや、
扨は
何某殿の
未亡人とか、さらずは
妾なんどいふ
人か、
別して
與へられたる
邸宅かと
問へば