御婦人ごふじん)” の例文
旦那だんな、くどいことをおたづまをしますやうでござりますが、あのの十三囘忌くわいき今日けふ佛樣ほとけさまは、旦那衆だんなしうでござりますか、それとも御婦人ごふじんで、」
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何故なぜ被言おッしゃりませ、ひいさまはまだとしがゆかッしゃらぬによって、だまさッしゃるやうであれば、ほんにそれはわるいこっちゃ、御婦人ごふじんだまさッしゃるは卑怯ひけふぢゃ、非道ひだうぢゃ。
ればよなとおもひながら、殊更ことさららずがほよそほひつゝ、主人あるじ御婦人ごふじんなるにや、さて何某殿なにがしどの未亡人びばうじんとか、さらずはおもひものなんどいふひとか、べつしてあたへられたる邸宅ていたくかとへば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うしますとね……わたしはう見直みなほしました二日目ふつかめ夜中よなかです……となりへやにおいでなすつた御婦人ごふじんの、わたしおな病氣びやうきでした。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ロミオ 御婦人ごふじん、これは事壞ことこはしのため神樣かみさまつくらせられたをとこぢゃ。
いゝえ御婦人ごふじんかぎつたことはありますまいとも。……げんわたくし迷惑めいわくをしたんですから……だれだつて見境みさかひはないんでせう。其奴そいつ砂利じやりつかんで滅茶々々めちや/\擲附ぶツつけるんです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
マーキュ 御婦人ごふじん、おおそうござります。
……それも殿方とのがたのだと、なんですけれど、やさしい御婦人ごふじんのおでしたからひろひました。もつとも、あの、にせて殿方とのがたのてのやうにいてはありますけれど、それ一目ひとめればわかりますわ。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちやう鹽梅あんばいに、貴下あなたがおひなさいましたやうな、大勢おほぜい御婦人ごふじんづれでも來合きあはせてくださればうございますけれどもねえ……でないと……畜生ちくしやう……だの——阿魔あま——だのツて……なんですか
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)