“おもいもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寵者38.1%
寵姫19.0%
14.3%
寵女4.8%
寵妾4.8%
寵娘4.8%
情人4.8%
意中人4.8%
愛妾4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主膳の左右にいる者の小声でうわさするところによれば、あれこそ、新支配の駒井能登守が、このごろ新たに手に入れた寵者おもいものということであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
姿、容子、化粧つくりおごり、身分のあるもののおてかけか寵姫おもいものか、およそ容易ならぬ女でした。
これよりして、私は、茶の煮えると言うもの、およそこのへんしるした雀の可愛さをここで話したのである。時々微笑ほほえんでは振向ふりむいて聞く。娘か、若い妻か、あるいはおもいものか。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あなた様にはまだこのわたしが陣十郎の寵女おもいもの、陣十郎の情婦いろおんな、それゆえ心許されぬと、お思い遊ばして居られますのね」
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あくまで明しを立てぬとなら、殿の寵妾おもいものとて容赦ようしゃはせぬ! 殿に願って御身を捕らえ充分糾明きゅうめい致すまでじゃ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
花の三月、日本橋倶楽部クラブで催された竹柏園ちくはくえんの大会の余興に、時の総理大臣侯爵桂大将の、寵娘おもいものの、仕舞しまいを見る事が出来るのを、人々は興ありとした。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
以前は幸七の情人おもいもので、一時囲われたことのある小唄の師匠お栄と懇意になり、その滑らかな舌に焚きつけられて、刷毛ついでに恋敵の幸七も殺す気になったのでした。
幸い八田という意中人おもいものが、おまえの胸にできたから、おれも望みが遂げられるんだ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
愛妾おもいものであるというのである。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)