彼家あそこ)” の例文
彼家あそこじゃ奥様おくさんも好いかただし御隠居様も小まめにちょこまかなさるが人柄ひとは極く好い方だし、お清さんは出戻りだけに何処どこ執拗ひねくれてるが
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
わしが考えますに、先方むこうはあゝ云う奴だから、詫びたってもくまいと思って、私が急いでお知らせ申しに来やしたが、お嬢さまが彼家あそこへ住込む時、虫が知らせましたよ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もしまた出て来ても彼家あそこなら傘も貸せば人も付けてくれるはず——こう思うとそれが安心になってか、それから、今朝味噌松に起されるまでおみつはぐっすり眠ったという。
彼家あそこで去年の暮に東京から呼んだ職人が、肋膜にかかつて遂に此間死にましたがねす。それを
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼家あそこに、嫁さんか、娘さんか、きれいな女が居るだろう。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そら近頃このごろ出来たパン屋の隣に河井さんて軍人さんがあるだろう。彼家あそこじゃア二三日前に買立のあかの大きな金盥かなだらいをちょろりとられたそうだからねえ
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼家あそこで去年の暮に東京から呼んだ職人が、肋膜に罹つて遂此間死にましたがねす。それを
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)