トップ
>
執拗
>
しゅうね
ふりがな文庫
“
執拗
(
しゅうね
)” の例文
両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、眼を、
眼球
(
めだま
)
が
眶
(
まぶた
)
の外へ出そうになるほど、見開いて、唖のように
執拗
(
しゅうね
)
く黙っている。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その一回もまたしばらくすると
廃
(
や
)
めになった。そうして葛湯の分量が少しずつ増して来た。同時に口の中が
執拗
(
しゅうね
)
く
粘
(
ねば
)
り始めた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼んで
執拗
(
しゅうね
)
く掛け合いに参ったのは丹後守の反間苦肉じゃ。否と申せば、公儀上席の御老中の顔を
潰
(
つぶ
)
すようにもなるで、無念ながら今日の所は渡してつかわせい……
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『そうだったのだ! そうだったのだ!』と彼は
執拗
(
しゅうね
)
く心の中でくり返した。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
何故、このように
執拗
(
しゅうね
)
く彼をさがさなければならないのか、人間はお互に知らない者同士が眼とか頭とかでその生活を少しでも知ると、後篇ともいうべきその人間を何かの弾みに知りたくなるものだ。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
たとえ盗人たちが、意地悪く子の親を問いつめても、彼女は両手を胸に組んだまま、はずかしそうに目を伏せて、いよいよ
執拗
(
しゅうね
)
く黙ってしまう。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかもあまり
綺麗
(
きれい
)
ではない。その上
室
(
へや
)
の中が妙な
臭
(
におい
)
を放つ。支那人が
執拗
(
しゅうね
)
く
置
(
お
)
き
去
(
ざり
)
にして行った臭だから、いくら綺麗好きの日本人が掃除をしたって、依然として臭い。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すなわち年来わが御主君にたいして事ごとに邪視あそばしておられる信長公の
執拗
(
しゅうね
)
きお憎しみが……ついに、ついに、かくばかり露骨となられ、事ここにいたらしめたものであると。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相手を殺したのに、気のゆるんだ次郎は、前よりもいっそう、この狩犬の
執拗
(
しゅうね
)
い働きに悩まされた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分は次の停留所へ来る前また
執拗
(
しゅうね
)
く同じ問をかけて見た。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
灯
(
ともし
)
は、その炎のまわりに無数の輪をかけながら、
執拗
(
しゅうね
)
い夜に攻められて、心細い光を放っている。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
拗
漢検1級
部首:⼿
8画
“執拗”で始まる語句
執拗度
執拗無殘