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執拗
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しつえう
ふりがな文庫
“
執拗
(
しつえう
)” の例文
(前略)不運は
何故
(
なぜ
)
かくまで
執拗
(
しつえう
)
に余に
附纏
(
つきまと
)
ふことに候や。今春は
複々
(
また/\
)
損失、××銀行破産の為め少しばかりの預金をおぢやんに致し候。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
土井は京都へついてからも、何か自分で
怒
(
おこ
)
つてゐるのぢやないかと
反省
(
はんせい
)
してみたくらゐ、
執拗
(
しつえう
)
に京都行を主張したのであつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
又一疋の方はとり逃がした奴を直ぐあきらめるらしかつたけれども、他の一疋はなかなか
執拗
(
しつえう
)
に稲田のなかまで足を泥にふみ込んで追ひ込む。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
氷河の懸つた山の上には
禿鷹
(
はげたか
)
の影さへ見えなかつた。が、背の低い
露西亜
(
ロシア
)
人が一人、
執拗
(
しつえう
)
に山道を登りつづけてゐた。
或阿呆の一生
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はあとでそつと禿を捉へ、
宥
(
なだ
)
め
賺
(
すか
)
し、誰にも言はないから打明けろと迫つて見たが、禿は
執拗
(
しつえう
)
にかぶりを
掉
(
ふ
)
つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
▼ もっと見る
言
(
い
)
はば
勝
(
か
)
ちたいといふためのその
執拗
(
しつえう
)
な
努力
(
どりよく
)
、
勿論
(
もちろん
)
外
(
ほか
)
の
牌
(
パイ
)
を
使
(
つか
)
ふことにでもなれば
何
(
なん
)
の
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たう
筈
(
はず
)
もないのに、そんな
骨折
(
ほねを
)
りをするといふ
根氣
(
こんき
)
よさ、
陰澁
(
いんじふ
)
さ
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その眼は、私が顏からも凝視からも避けようとするのに
執拗
(
しつえう
)
に私のを求めてゐるのだつた。彼は
微笑
(
ほゝゑ
)
んだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今度の事件——佐渡屋に
覆
(
おほ
)
ひ冠さる
呪
(
のろ
)
ひの手は、あまりにも殘酷で、
執拗
(
しつえう
)
で、加減も容赦もないのを見せつけられると、八五郎はもう姿を見せぬ曲者と四つに組んで
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しんとした中に眼に見えぬ力が
執拗
(
しつえう
)
に彼を圧して来る。彼は身を刺すやうな憎悪を感じた。ビ・リ・リ・リ・リと叫びながら遠野のくれた
喙
(
くちばし
)
の紅い小鳥が籠の中で跳上る。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
更に或るときは君の行くてに待ちうけてゐる。また或るときはおくれ
馳
(
ば
)
せに後方から
執拗
(
しつえう
)
に君を追ひかけても来る。だからそれらを常に予知することは運命を克服し打開し乗り越えることである。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
追はんとすれど
執拗
(
しつえう
)
の
宿酔
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
偏見はさうした心の中で、ちやうど石の間に生えた雜草のやうに
執拗
(
しつえう
)
に生長して行くのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「若いんでせう、その人。」と彼女が
執拗
(
しつえう
)
に訊ねた。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
拗
漢検1級
部首:⼿
8画
“執拗”で始まる語句
執拗度
執拗無殘