“しつこく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漆黒45.5%
桎梏27.3%
執拗18.2%
漆谷9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苦惱、恥辱、忿怒——焦躁、憎惡、嫌忌——それらが瞬間、彼の漆黒しつこくの眉の下に大きく見開かれた瞳の中でぞつとするほどひしめき合つた。
鎖国令といふ桎梏しつこくを受けないで、日本民族の進取の本能に任せて海外発展が続けられてゐたなら、二、三世紀前、すでに南洋一帯は我が版図になつてゐて、今ごろは日本は、東洋の平和
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
……『出て行け!』などと申しますし『見るもいやだ』などと申しますし『敵同士だ』などと申しますし『渡せ渡せ文書を渡せ!』と、以前まえよりも執拗しつこく申しますし、それにちっとも寄り付きませぬ。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
寿詞を贈つたものには讚岐の後藤漆谷しつこく美作みまさか茂誥大輔もかうたいほ、徳島の僧玉澗等があつたことが集に見えてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
漆谷しつこくは市河三陽、小野節二家の説を聞くに、後藤氏、名は苟簡こうかん、字は子易しえき、一田夫でんふ、又木斎と号した。北条霞亭の尺牘に拠るに、通称は弥之助である。讚岐の商家に生れ、屋号を油屋と云ふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)