“くど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クド
語句割合
口説65.7%
25.6%
3.3%
0.8%
0.6%
0.6%
0.6%
0.3%
久土0.3%
九度0.3%
仇台0.3%
執拗0.3%
0.3%
曲突0.3%
竈突0.3%
苦呶0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お通夜や又何やかや用達ようたしの道々などで、私は高木の妹から、彼が甚だ好色漢で、宿屋へ泊れば女中を口説くどく、或時バーの女に
篠笹の陰の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「当分のうちみんなに黙っていてくれ、と猪之はくどく云いました」と云って藤吉はぬるくなった茶を啜った、「すると半月ばかりして」
「おい、阿母おっかあ。いつまでそんな廻りくどいことを言ってるんだ、聞いてても小憤こじれってえ。」と傍から一人がひき取って
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
福浦のあたりは、浜ひろがりに、石山の下を綺麗な水が流れて、女まじりに里人が能登縮のとちぢみをさらしていて、その間々あいあいくどからは、塩を焼く煙がなびく。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼飯の間じゅう、婆さんが余り物のあがったことをくどく喋るものだから、これも夜勤あがりで寝ていたのを二階からおりて来て一つチャブ台でたべていた旋盤工の清水が
三月の第四日曜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
くどいようですが、確かに、陳東海だと言いましたか」
種々いろいろな事をくどく喋つて聞かして、九時頃に寝る事になつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私お察し申してをります。ですから私決してくどい事は申上げません。少し聞いて戴きたい事が御座いますのですから、どうかそれだけいはして下さいまし
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
従来これまでも随分くどく申上げましたけれど、貴方は一図に私をおきらひ遊ばして、ちよつとでも私の申す事は取上げては下さらんのです——さやうで御座いませう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
久原のほか久野くの久沢くさわ久谷くたに久土くど久場くば久平くのひら等の地名も、皆同種のものと見て差支えはなかろう。実際この類の地名は山村山地に多いかと思われる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「やっぱりおなかが痛むんでねえ。——熱もまだ九度くどからあるんだとさ。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
支那の歴史上の話では仇台くどといふ人は矢張り開闢の偉い王であつたと考へられるものと思ひます。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
「そのあげくに執拗くどく申せば、……」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何しろ、嫉妬焼きで、清元の師匠と、変だなんて言いがかりを為るのが余りくどいので、今夜もり倒して遣りました。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
百人分ぐらいの茶碗がそこに出し揃えられてあるほか、五つばかりの曲突くどまで押し並べられ、燗鉄瓶がその上で松風の音を立てている。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
竈突くどに土鍋をかけて粥を炊き、なけなしの鳥目をはたいて、何年か前の塩ぶりか、石のように固くなったのを買ってきて、焼いて向付けにし、すぐでもとりこめるように
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ええ。ずいぶん叔父さんも苦呶くどいのね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かたじけない。然し、私は天引三割の三月縛みつきしばりと云ふ躍利をどりを貸して、あらかせぎを為てゐるのだから、何も人に恩などを被せて、それを種に銭儲かねまうけを為るやうな、廻りくどい事を為る必要は、まあ無いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)