“しっこく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漆黒65.4%
桎梏34.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪白の冷たい石龕せきがんの内に急に灯がともされたように、耳朶は見る見る上気して、紅玉色に透り、漆黒しっこく眸子ぼうしは妖しい潤いに光って来る。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ときほぐされたながい漆黒しっこくの髪はその白い身体になだれまつわり、その女が波にただようときには、海藻のように水面にうきます。
人魚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
結局唯物史観の源頭たるマルクス自身の始めの要求にして最後の期待は、唯物の桎梏しっこくから人間性への解放であることを知るに難くないであろう。
想片 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
より政略の桎梏しっこくの少い下級武士や庶民生活の中では、女性の生活が、文盲ながら幾らか明るさ、健全さを持っていたことを、狂言は語っている。
私たちの建設 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)