“かせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
73.3%
14.1%
3.2%
1.4%
加瀬1.1%
1.1%
桎梏0.9%
0.6%
枷鎖0.6%
鹿瀬0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
掙了0.3%
支架0.3%
0.3%
石陰子0.3%
0.3%
0.3%
鉄械0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何がさて娘の頼みだ、聴いてらん法はないと、ミハイロは財布の紐を解いて、かせめた金の中から、十銭だまを一つ出して遣つた。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
恩のヘチマのと、義理かせがあっちゃ、面白くねえ。お前さんの身の振り方がつくなら、いつだって、黙って、出て行っておくんなさい。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて自分のかせぎ溜めた錢で、今は僅かに殘る貯への中から、丁度三百兩を取出して財布に入れ平次が推察した通り竹桿たけざをの先に引つ掛けて隣の庭に入れたのです。
この口いさかいをいてはずかしくてたまらぬので、その甕を土の上にほうり出すと、甕は割れてかせを頸にかけたはだかの女房がころげ出したが、多勢おおぜいに見られるのがつらくて
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その上、三人でいた間は、肥前ひぜんくに加瀬かせしょうにある成経のしゅうとから平家の目を忍んでの仕送りで、ほそぼそながら、朝夕ちょうせきの食に事を欠かなかった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
歩くことによつて起されたかすかながらの刺㦸をまつたくしつけてしまふことであつた——私の才能に、單調な目に見えない生活のかせをはめることであつた。
しかも美しく才かしこくして位高き際の人に思はれながら、心の底には其人を思はぬにしもあらざるに、養はれたる恩義の桎梏かせこゝろげて自ら苦み
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「まったくさ、ドテやゲバを取ろうとって、あくせくかせぐ気が知れねえ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武士は道人の命令を聞いてからいずこともなしに往ってしまったが、間もなく喬生、麗卿、金蓮の邪鬼に枷鎖かせをして伴れて来た。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鬼界ヶ島を立った丹波少将らの一行は、肥前国鹿瀬かせしょうに着いた。
そのかせとはほそき丸竹を三四尺ほどの弓になしてそのつるに糸をかけ、かせながら竿さをにかけわたしてさらす也。
さて白ちゞみはおりおろしたるまゝをさらす、のちゞみは糸につくりたるをかせにかけてさらす。
いじめたから。……またあなたもみっちりおかせぎなさい。そうしたらお雪さんが、此度は向から頭を下げてあやまって来るから。……
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「斯ういう処にいてかせぎに出るのかなあ!」と、私は、きたないような、浅間しいような気がして、暫時しばらく戸外そとに立ったまゝそっと内の様子を見ていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
殊にお辰は叔父おじさえなくば大尽だいじんにも望まれて有福ゆうふくに世を送るべし、人は人、我は我の思わくありと決定けつじょうし、置手紙にお辰少許すこしばかりの恩をかせ御身おんみめとらんなどするいやしき心は露持たぬ由をしたた
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かせえて、それ、衣物きもの」と勘次かんじたゞおろ/\して與吉よきちしかりつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
デモ母親は男勝おとこまさりの気丈者、貧苦にめげない煮焚にたきわざの片手間に一枚三厘の襯衣シャツけて、身をにして掙了かせぐに追付く貧乏もないか、どうかこうか湯なりかゆなりをすすっ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それを trousトルウ de mecquesメック と俺達はいつてるんだがね、其處に滑車のついた小さな支架かせが据ゑつけてあるんだ、それから釣絲を繰りをろすんだがね。
そこで、彼等は一人一人静かに舷梯げんていりて行ったが、最後の一人が汽艇ランチに納まったのを合図に、憲兵達はソレッとばかり一斉に跳びかかって、彼等に手かせをはめてしまった。
あはびさだをか石陰子かせよけん、………」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
はたかせとに心せよ、而して侍女に命下し
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
述て返濟なし其節も馳走に成しが其後五月節句せつくまへ又三十兩不足に付借用致し度と云ければ四郎右衞門は以前の如くこゝろよくかせしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もし貴様らが武器を持たずに一人一人やって来るなら、己は、貴様らみんなた鉄械かせをかけた上で、イギリスへつれて帰って公平な裁判にかけてやるということを、約束してやろう。