桎梏かせ)” の例文
広い宇宙に生きて思わぬ桎梏かせにわが愛をすら縛らるるを、歯がゆしと思えど、武男はのがるるみちを知らず、やるかたなき懊悩おうのうに日また日を送りつつ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
しかも美しく才かしこくして位高き際の人に思はれながら、心の底には其人を思はぬにしもあらざるに、養はれたる恩義の桎梏かせこゝろげて自ら苦み
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)