かせ)” の例文
「カヤノ、お前太郎兵衛たろべどんまでてな、おすえさんに一かせだけあげるせにいうてあともろてこい。フサエがな、売るもんを知らんとあげたんじゃせにいうてな」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
この口いさかいをいてはずかしくてたまらぬので、その甕を土の上にほうり出すと、甕は割れてかせを頸にかけたはだかの女房がころげ出したが、多勢おおぜいに見られるのがつらくて
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
其の糸を足の間のかせの中にだんだんたぐり込んでぢ上つて行く。
沈めるおといとに、かせをかけたる思にて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
沈めるおといとに、かせをかけたる思にて
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)