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加瀬
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かせ
いよ/\
大問題。
早速、
水谷氏の
處へ
報告すると、
氏は
大いに
喜んで、
早速十二
月に
入つて、
望蜀生と
共に
加瀬に
行つた。
その上、三人でいた間は、
肥前の
国加瀬の
荘にある成経の
舅から平家の目を忍んでの仕送りで、ほそぼそながら、
朝夕の食に事を欠かなかった。
「もういいね。十羽ばかり取ったがね。僕が十羽、
大谷が七羽、
加瀬と
山内が八羽ずつ」
實物を
見ぬから、
勿論斷定は
出來ぬが、
樽の
徳利といふのは、
加瀬の
彌生式のと
同形同類ではなかつたらうか。
それから十
町と
隔たつて
居らぬ
加瀬の
貝塚に
廻つて、
小發掘を
試み、
相變らず
失敗して
歸宅した。
同形とすれば
加瀬と
同じく
樽の
貝塚も、
特種の
物ではなかつたらうか。
八木水谷氏等が
見出したといふ
小破片は
今日ほど
研究されて
居らぬ
其時代の
眼で
見て、
普通貝塚のと
見過したのではあるまいか。